慕嬢詩『阪神優勝』
 6回裏の佐藤輝のホームランで3-0。これで楽勝と思われたが巨人は粘って9回表には4-2と迫った。
 最後は守護神岩崎でピシっと決めると思われたがG・坂本の本塁打で4-3、次のG・秋広が2塁打、 その代走が3塁へ。
 一打同点まで追いつかれ、岩崎もナインもベンチもファンも最高の緊張感!しかし最後はセカンドフライに打ち取った。
 中野がフライをキャッチした瞬間、18年間待ち続けていた「アレ」が「コレ」になり感激した。
 しかも9月負け無し、11連勝という神がかり的な強さを見せてセ・リーグの5球団すべてに勝ち越しての完全優勝。
 それも宿敵巨人を前にして甲子園での岡田監督の胴上げ。続く岩崎は7月に亡くなった横田選手の背番号24のユニフォームを掲げての胴上げ。
 背番号24と言えば背番号9のサイン色紙と一緒に娘の仏前に飾ってある。桧山進次郎選手(24)と藤本敦士選手(9)のサインである。
 娘の友人が「瞳ちゃんが好きだった桧山選手と藤本選手のサインです」と、自宅のお仏壇をお参りした時に持ってきてくれた。
 私はガチガチの阪神ファンで、若い頃はいつもテレビの前で大声で阪神の試合を見乍ら大きな声で応援したり一喜一憂していた。
 その姿を小さな時から傍で見ていた娘もいつしか阪神ファンになっていて、大人になってから友達とよく甲子園に行ってたらしい。
 因みに優勝前日は娘の誕生日で素晴らしい誕生プレゼントになったと思う。今頃は娘も横田選手も「アチラ」で喜んでいるはずだ。

※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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