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まだ幼かった時の娘が、トイレのドアに熱帯魚のシールを貼りました。
そのカラフルで愛らしいシールのトイレのドアで、薄暗い廊下を明るくしました。
たった3匹でシンプルだけれど、その素朴さがなお娘の愛おしさを覚える。
その娘が20数年後、私たちの前から思いかけず旅立ちました。親より先に…。
彼女のまさかの死は、私たち夫婦に深い傷を残し、生きるのが辛い日々が続きました。
今でも熱帯魚のシールはトイレのドアに残したままで、見るたびに娘を失った辛い過去を呼び起こします。
しかし、同時にそのシールは色は褪せても、ほのぼのとした遠い過を鮮明に思い出させてくれます。
愛する人を亡くした人たちは、共有した経験や遺品などにふれた時に故人がよみがえります。
私の場合は熱帯魚のシールもその一つで、娘は私たちの心の中に生き続けていると感じさせてくれます。
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※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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