hitomi's poem |
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2月に入るとすぐに節分だ。 「鬼は〜外、福は〜内」 それぞれの家庭から聞こえてきそう。 我が家でも瞳が小さな頃にやりました。 父親の私が鬼です。娘には甘い鬼です。 私は鬼の面をかぶり部屋の外へ出ました。 「鬼は〜外、福は〜内」 瞳は赤いほっぺを緩ませながら鬼に豆をまきました。 「鬼は〜外、福は〜内」 寒さでかじかんだ小さな手で豆を掴んでまきました。 「鬼は〜外、福は〜内」 無病息災祈願の訳もわからず楽しそうにまきました。 「鬼は〜外、福は〜内」 妻も微笑みながら一緒に豆をまきました。 「ハックショ〜ン!」 ベランダの私はくしゃみをひとつした。 こんなに寒くては鬼も来ないだろう。 部屋の中に入りお互いに年の数だけ豆を食べました。 妻は30粒、私は35粒、瞳は5粒だけ…。 私のを見て、もっと欲しそうだった。 「鬼は〜外、福は〜内」 瞳は恨めしそうに残りの豆を外へ向かって投げた。 |
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街の薬局屋さんで見かけた瞳の同級生、頑張って働いている。 瞳が小学生の時に、何度か家(うち)に遊びに来た事がある。 あの頃はあどけない少女だったが、すっかりいい娘さんになっている。 「瞳の父親です」と声をかけたいが、きっと悲しい話になると思い控えた。 瞳も今、生きていれば30歳。いい大人になっていただろう。 常連のお客さんが店に娘さんを連れて来た。聞けば瞳の同級生だった。 中学生の時に一緒に遊んだとか。まさか知り合いの娘さんだったとは…。 今はお父さんの居酒屋を手伝っている、親孝行なお嬢さんだ。 もし瞳が生きていたら店を手伝ってもらい、一緒に働いていたかも。 私の心はウキウキと弾んで、明るく楽しい店のイメージが目に浮かぶ。 近くの遊歩道で見かけた瞳の同級生、小さな子どもを連れていた。 瞳の小学生から中学生にかけて、ずっと仲が良かった友達だ。 あの時の愛くるしい子供が、すっかりいいお母さんになっている。 瞳が今、生きていればそろそろ人生の第2ステージを迎える。 可愛い子供をもうけて、いい母親になっていたに違いない。 瞳の同級生の母子を見ると想像します。 「用事があったらいつでも子供を預けにおいでや、面倒みるで」 そして近くの公園へ連れて行ったり、スーパーで欲しいモノを買い与えたりと 孫に甘〜い甘〜いおじいちゃんになっている自分を…。 瞳の同級生の皆さん、幸せになってください。 瞳の分まで… |
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