hitomi's poem |
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瞳と指きりをしたのは2回だけ。 1回目は瞳がまだ幼い頃だった。 遊園地に連れてってとねだり、可愛い小指を差し出した。 「指きりげんまん ウソついたらハリ千本飲ます 指切った」 保育園で覚えたての指きりを、口ずさみながら約束をした。 あの時は自営を初めたばかりで、瞳にかまってやれなかった。 それでも約束を果たせた。満面の笑顔がとてもいとおしかった。 2回目の指きりは瞳が25歳、入院をして2週間目ぐらいの時だった。 カーテン越しの淡い光の中、冷やかなベッドに無言で横たわっていた。 「退院したら瞳が好きなUSJへ行こ。早(ハヨ)元気になりや、約束やで」 細く青白い小指に私の小指を絡ませて、回復を祈るように耳元に囁いた。 人口呼吸器が口を塞ぎ声は出せなかったが、私を見つめ弱々しく頷いた。 それから半月間の闘病、瞳は回復することなく、この世を去ってしまった。 2回目の指切りの約束は、とうとう果たすことができなかった。 「指きりげんまん ウソついたらハリ千本飲ます 指切った」 あの時交わした指きりが心に焼きついて、時々私の脳裏に虚しく蘇える。 一句:指切りで 小さな思いを 契りましょ |
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壁に貼っている瞳の似顔絵 上手くは無いけど私が描いた 何度も何度も写真を見ながら描いた 元気だった頃の瞳を思い浮かべながら… 個性的な髪形にうりざね顔の輪郭 頬からアゴのラインを優しくなぞる お化粧をするように眉とアイラインを引く 最も苦心をしたのはつぶらな眸だった 暗いイメージになるのは私が哀しいからなのか 壁に貼っている瞳の似顔絵 眺めていると心の中に瞳が生き返る その似顔絵は何となく私に似ている 自分でそう思っているだけかもしれないが… |
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