hitomi's poem

hitomiの part36(指きり)


 
瞳と指きりをしたのは2回だけ。
1回目は瞳がまだ幼い頃だった。
遊園地に連れてってとねだり、可愛い小指を差し出した。
「指きりげんまん ウソついたらハリ千本飲ます 指切った」
保育園で覚えたての指きりを、口ずさみながら約束をした。
あの時は自営を初めたばかりで、瞳にかまってやれなかった。
それでも約束を果たせた。満面の笑顔がとてもいとおしかった。

2回目の指きりは瞳が25歳、入院をして2週間目ぐらいの時だった。
カーテン越しの淡い光の中、冷やかなベッドに無言で横たわっていた。
「退院したら瞳が好きなUSJへ行こ。早(ハヨ)元気になりや、約束やで」
細く青白い小指に私の小指を絡ませて、回復を祈るように耳元に囁いた。
人口呼吸器が口を塞ぎ声は出せなかったが、私を見つめ弱々しく頷いた。
それから半月間の闘病、瞳は回復することなく、この世を去ってしまった。
2回目の指切りの約束は、とうとう果たすことができなかった。

「指きりげんまん ウソついたらハリ千本飲ます 指切った」
あの時交わした指きりが心に焼きついて、時々私の脳裏に虚しく蘇える。

一句:指切りで 小さな思いを 契りましょ


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hitomiの part37(似顔絵)


壁に貼っている瞳の似顔絵
上手くは無いけど私が描いた
何度も何度も写真を見ながら描いた
元気だった頃の瞳を思い浮かべながら…

個性的な髪形にうりざね顔の輪郭
頬からアゴのラインを優しくなぞる
お化粧をするように眉とアイラインを引く
最も苦心をしたのはつぶらな眸だった
暗いイメージになるのは私が哀しいからなのか

壁に貼っている瞳の似顔絵
眺めていると心の中に瞳が生き返る
その似顔絵は何となく私に似ている
自分でそう思っているだけかもしれないが…



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