hitomi's poem

hitomiの part26(アルバム)

押入れの奥から見つけた3冊のアルバム。
瞳の思い出がいっぱい詰まった写真帳。
ページをめくり思い出巡りの心の旅をする。
表紙をめくると生まれて間もない瞳の寝顔、
白い産着(ウブギ)に包まれた君はまるで天使のよう。
その下に小さな足形と出産時の体重などが記録、
こんなに小さかったのかと感慨にひたる。
お宮参り、ひな祭り、七五三、入園、入学式、卒業式。
お誕生日、クリスマス、運動会、遠足、修学旅行。
それぞれ節目の記念写真が程よい頃合で貼ってある。
一緒に写っている私、子供と共に成長していたんだなと思った。
風呂上りにタオルを頭に巻いたちょっぴりオシャマな写真、
妹と公園で遊ぶ姿はすっかりお姉ちゃんになっていた。
夏休みはいつも同じ年頃の三人娘がいる私の兄宅に預ける。
従姉妹とゴザを敷いて上で遊んでいる。笑みが一杯だ。
プールでは伯父さんの手を借りながら浮き輪の中でおどけてる。
私の実家近くの神社の祭りでおばあちゃんと金魚すくい。
初体験で楽しそう。はしゃいでいる様子がうかがえる。
子供の頃の浴衣は白地に朝顔の柄、ピンク色の帯をしていた。
大きくなると紺色の花模様に黄色の帯、赤い鼻緒の黒い下駄。
センスが大人っぽくなっている。すくすく育っていると感した。
赤く日焼けした夏休み。白い冬休み。新緑に包まれた春休み。
ページをめくっているうちにだんだん胸が熱くなってきた。
思い返しては時間はとまり、そしてまた瞼に涙があふれる。
最後のほうは瞳の三回忌の写真。親族、友達の顔がずらり、
このアルバムの主人公である君の顔が見当たらない。
辛く哀しい記録、時として美しい懐かしさに浸りながら、
25年間のひとつひとつを昨日のことのように思い起こした。
アルバムを閉じて暫らくの間、感無量な面持ちになった。


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