hitomi's poem
hitomiの(うた part12(ベストフレンド)

寒風が身にしみる師走の夜、
突然、娘の友が訪れた。
瞳が居なくなってから1年4ヶ月、
多忙の中、遠い所から4人で来てくれた。
少し早い目のクリスマスプレゼントを持ってきた。
瞳が好きだった、阪神の藤本選手のサインだ。
ていねいに“瞳ちゃんへ”と直筆(じきひつ)で書いてある。
生きていたらさぞかし喜ぶだろうな…、
心の中で呟(つぶや)きながら、
娘が笑む顔を思い浮かべながら、
遺影写真の横にそっと並べて置いた。
友達の店に来た時に書いてもらったそうだが、
ちゃんと好みを覚えてくれていたんだなと感謝した。

久々に見る同い年の娘(こ)たち
初めて見る快活な好青年。
仏壇にそれぞれの思いで手を合わせた後、
階下にある私の店にみんなで場を移す。
少し張り詰めた空気を、拙(つたな)いジョークで解きほぐす。
瞳が好きだった“Jupiter”の曲を唄ってくれた。
みなさんはとても明るく、気持ちいい人たちだ。
一人の娘(こ)がデュエットをしてくれた。
父娘(おやこ)一緒で唄いたかったと
娘の面影を脳裏でダブらせた。
楽しく語り合ったり、カラオケを唄ったり、
瞳もこのいい友達の輪の中に居たんだんね。
こんなベストフレンドがいるのにどうして?とつくづく思う。

1時間そこそこの短い時間だったが、
瞳の思い出が凝縮された貴重なひと時だった。

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