炬燵に入りミカンの皮をむいていると、ふと思い出した。
去年の寒い冬、親子三人水入らずでテレビを見てたね。
そして、いろんな話題にいっぱい花を咲かせたね。
君は好きなダンスを極めたいと、夢を語ってたね。
あの時のあの輝いた瞳、ついこの間の事のような気がする。
この狭いのスペースが、家族の絆をつなぐ憩いの場やった。
離れて暮らしているので、たまに会うこの時が至福の時やった。
沢山の友達がいてたのに、なんで孤独を選んだんや。
楽しかったあの団欒(だんらん)は一体なんやったんや。夢?幻?
君の写真を見る度に、悔しさがググッとこみ上げてくる。
君の悩みを深く追求する事なく、SOS信号に気づけなかった私、
真剣さが足りなかったのか、愛情が足りなかったからなのか、
それだけがいつまでも、深い悔恨にとらわれる。
hitomiよ、いつまでも私の側に居て欲しい…。
そしてまた、その笑顔で私を困らせて欲しい…。
そしてそのまま、私の前から消えないで欲しい…。
片時も脳裏から離れる事のない、君の面影。
hitomiよ君は今、私の胸の中で生きている。
そして優しく、微笑みを投げかけてくれる。
hitomiよ淋しなったら、いつでも帰っておいでよ、
そして一緒に炬燵に入って、あの時に戻ろう。
※至福(しふく)=この上もない幸福。
※悔恨(かいこん)=後悔して残念に思うこと。 |