hitomi's poetry
想い出綴り−68 季節のうつろい
cici
8月の晦日(ミソカ)には、澄み切った空に爽やかな風が囁くように吹く。
黄色いヒマワリの季節から、夏の空気が秋と入れ替わり赤い彼岸花が咲き始め、
昼間に賑やかだったセミの鳴き声から、夜のスズムシやコオロギの音(ネ)に。
この時期は寝床につくと、心地よい虫たちの鳴き声に癒やされる。
虫たちと言えば、子供の『夏休みの自由研究』に昆虫採集を手伝ったことがある。
近くの公園や神社の境内で、捕虫網を持った子供たちが虫を追いかけていた。
青空にそびえていた入道雲がさよならして、うろこ雲が見られるようになった。
蒸し暑かった日が去って、湿度が低くなった空気感の違いで微妙な秋の匂いを感じる。
朝晩は涼しくなって日も短くなり、少しずつ夏の終わりを自覚するようになり、
熱く燃えていたときめきは、秋の訪れと共に冷めてふとセンチメンタルになる。
海水浴にハイキング、花火に夏祭り、黄金色の夕日…、楽しかった夏が通り過ぎて、
笑い合い語り合った君との大切なひと時の、まばゆい思い出をかえりみる。

※晦日(みそか)=各月の最終日。




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