hitomi's poetry
想い出綴り−56 クリスマスツリー

cici

 年末になると街のあちこちの店でクリスマスツリーを見かけるが、当店でも昔は毎年、クリスマスツリーを飾っていた。
 高さ1.8メートル近くの組み立て式ツリーは大き目なので一人で飾るのは面倒だったが、瞳が小さい頃に飾り付けを手伝ってくれていた。
 ツリーのてっぺんの大きなベツヘレムの星は私が取り付けた。
 ベツレヘムの星とは、東方の三賢者にイエス・キリストの誕生を知らせ、ベツレヘムに導いたキリスト教徒にとって宗教的な星だとか。
 瞳の手が届くところは彼女のテリトリーで、小さな星や長靴、金銀の玉やベル等を楽しみながら飾り付けた。
 最後は二人で電飾のコードをツリーに体裁よく巻き付けてからスイッチ・オン。
 瞳はキレイに飾り付けたツリーとキラキラ点滅するイルミネーションを見て目を輝かせた。
 妻が用意したケーキを食べながら、親子3人で喜びを分かち合った幸せなひと時だった。
 毎年、街中にジングルベルが流れる頃になると、瞳と一緒にクリスマスツリーを飾った遠い昔を思い出す。
 そのクリスマスツリーは一昨年まで納屋にしまい込んでいたが、もう飾るのが面倒なので自宅をリフォームした時に処分した。
 時の流れと共に状況が変わってきたが、瞳とのクリスマスツリーの思い出は色褪せない。




●back

●composition-top

●top-page

●nex
t