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(ビール)
ビールのいつ頃から飲まれた?
ビールの歴史は古く、紀元前4000頃のメソポタミアにその発
祥を見たといわれます。これはバタビアの発掘で“ビットシカ
リ”という酒場でビールを飲んでいる様子が証明された事に
よっても裏付けられています。
また、紀元前3000年頃のエジプトでも、パンとビールが重要
な産業であったといわれており、クレオパトラがローマの将
軍たちに振舞った酒も、ビールであったといわれています。
このようにギリシア=ローマ時代にはすでによく
飲まれてい
ましたが、ここでいうビールは、今私たちが飲んでいるものと
はかなり違うものであるのですが、麦が発酵する時に生じる
でんぷん質が酵素の作用によって糖質に変わり、これに酵
母が繁殖して、糖をアルコールと炭酸ガスに変えるという原
理は今と変わりません。現在のホップを用いた製法は、11
世紀のドイツで行われ
ている。
わが国には江戸時代すでに伝来し、国産品は明治7年に初
めて作られた。サッポロビールのラベルに「SINCE1876」
とあるのは「明治9年以来」という意味。
生ビールと瓶詰めのビールとがある。生ビールは新鮮な味
するが保存が利かないので、加熱殺菌をして瓶詰めした
ビー
ルを「ラガー・ビール」と呼び、これを一般にビールと呼
ぶのは
ご承知のとおり。生ビールはそれに対して「ドライ」と
呼び、他
に「黒ビール」や味も色も濃くアルコール分が7%と
高目の「スタウト」がある。(普通のビールは4.5%〜5%)
また、以前にはアルコー度数が9%で、オンザロックで飲む
「ロック・ビール」があった。

麦酒と書いてビールと読む
読んで字のごとく“麦の酒”…ビールは麦から作られます。
大麦を発芽させ、乾燥させてから粉砕し、温水を加えて、で
んぷん質を糖質に変えます。この時、風味を整える為に副
原料としてコーンスターチを加えます。こうして、糖化させ、
濾過した原料を煮沸しホップを加えたのちに酵母を加えて
発酵させるのです。こうして貯酒室で熟成したビールを濾過
した後、いよいよミクロフィルターで、もう一度濾過し、ここで
60℃以上に加熱して殺菌します。
こうして、ミクロフィルターによって磨かれたビールは、ビン、
缶、樽などに注意深く詰められ、市場に出回ります。
ビールのカクテル
ビールをカクテルに用いる事で人間はまた一つ別な味覚の
世界を発見しました。「プレーン&ライト」、これがビールカク
テルの最大の特徴。あの爽やかさどおり、実に明解な味。
もちろん作り方も至って簡単。それにレシピはあくまでも目
安。自分好みの味にすればよい、そのルーズさがいいので
す。また夜だけではなく、太陽がさんさんと輝いている方が
似合いそうです。このビールのカクテルは大きく3種類に分
けられます。
1つは新鮮な果物を加えたフレッシュカクテル。グレープフ
ルーツやオレンジなど生の果汁1に対しビール3の割合で
注げば出来上がりです。
2つ目はジンジャーエールや炭酸飲料とビールを半分ずつ
加えたもの。シャンデー・ガフ、パナシェなどがこの仲間。
3つ目が、リキュールにビールをプラスしたもので、カシスビ
ア、ミントビアなどがこのグループに入ります。
ビールと色々なものを組み合わせて、あなただけのカクテ
ルを作ってみてはいかがですか。
主なビールベースのカクテル(リンク)
シャンデー・ガフ、パナシェ、カシスビア、ミントビア
ビールと発泡酒の違い
ビールも発泡酒も麦芽を発酵させて作る方法は変わりま
せん。しかし、ビールに使用できる原料は、「酒税法」によ
って、麦芽とホップ、水、米、トウモロコシ、澱粉などに限
定されています。更に、麦芽の使用率も約67%以上が要
求されています。
これに対して発泡酒は麦芽を原料の一部とした発泡性の
ある酒類として分類されています。ビールとしては使用で
きない原料(果汁など)使った場合や、麦芽の使用率がビ
ール以下の場合が、これに当てはまります。
また、発泡酒は麦芽の使用割合に応じて酒税額が3段階
になっています。50%未満の場合、酒税額はビールより
低額になっており、その分、安い価格で販売できるという
訳です。
ビールをおいしく飲もう
まず、何日もおいておかない事。長く置くには、冷暗所に保存
する事が必要だが、これにも限度がある。最近、瓶入りの生
ールなるものが出回っているが、これにはラベルに、作られ

日付が表示されている。

なるべくゆすらない事、これは生ビールの場合も同じ。ビール
通を自称する人で、「吾妻橋ぎわの朝日ビール会社のビヤホ
ールで飲むのが一番うまい」という人をたまに見かけるが、製
造工場の隣のビヤホールだから、あまりゆさぶられていない
ールを飲める、という事を極端に誇張していっている事。

泡が大切だ。注がれる時にグラスを傾けるのは邪道、みすみ
す泡のたつのを邪魔するわけだから(ビールの味に欠かせな
いガスの散逸を泡が防ぐわけ。戦後、銀座4丁目のビアホ
ル『ライオン』で、ビールをジョッキに注いでくれるおじさん
が、
丁度いい加減に泡を立てて、その泡を木製のナイフで器
用に
パッパッと飛ばせてくれたのはとてもイキだった。

ビールの適温は夏7〜8℃、冬9〜10℃
ビールをおいしく飲むには冷やしすぎは禁物。冷やしすぎると
泡立ちが悪くなって、微妙な味
が舌に伝わらず、せっかくのビ
ールも形無しです。冷蔵庫で冷やす時は5〜6時間がよいで
しょう。
夏なら
摂氏7〜8℃、冬なら9〜10℃位が
適当。暖かすぎたら泡が
立ちすぎるからこれもダメ。泡は全体
の5分の1位が適量か。
栓の上をコンコンと叩いてから抜くの
は何の意味もない。

ビールは泡が全体の2割位ならOK
ビールは注ぎ方と飲み方次第で、おいしくもまずくもなる、とい
われています。

まず、上手な注ぎ方は、グラスをまっすぐに立て、ビンの口を10
pぐらい離して、ゆっくりと注ぎ始めます。次第に
勢いよく注い
でいき、きれいに泡が出始めたら、泡を持ち
上げる様な感じで
静かに満たします。

このリズムで、泡が全体の2割位が理想で、クリーミーな泡立
ちになれば、ひと味違う事請け合いです。

ビールの香りには約200種の成分が含まれており、そのうち炭
酸ガス、イソフムロン(苦味)、エステル化合物(香
り)、たんぱ
く質などがうまさの素なのですが、炭酸ガス
がビール独特の清
涼感を生み出します。

泡はフタの代わりをし、炭酸ガスが洩れるのを防ぎます。
ぎ足しは禁物
泡が大切だから注ぎ足しもダメ。グラスの中のビールと、新しい
ビールには温度差がある上に、あとから注ぐフレッシュなビー
ルを
、前のビールと混ぜる事になりかねません。
実際にぎ足した場合は、泡立ちも悪く、その過程でフレーバ
ーを逃してしまう事にもなります。
また、グラスに油分があると、キメ細かい泡が立たないので、
清潔に洗浄したグラスを自然乾燥させたものがベストです。
グラスの内側は、なめらかであること。汚れがあるものは泡立
ちが悪くなります。
これらの点に注意すれば、い
つでもおいしいビールが、楽しめ
ます。
ビールをまずくする条件は
ビールにも飲み頃があって、新しいものほどおいしく、製造後
2ヶ月までが目安です。
ただし、これは冷暗所に静かに保管した場合で、高温、直射
日光、振動や衝撃などの悪条件にあうと、ビールの味が変わ
ってしまいます。飲みきれなかった時には、料理や漬物に使う
ほか、草木の肥料にも利用できます。
ビール瓶はなぜ茶色?
ビール瓶はどうして茶色なのか、知っていますか?それは、日
光を通さないようにするため。日光が含む紫外線を浴びると、ビ
ールは “日光臭”と呼ばれる独特の臭みを帯びます。干した布
団のような匂いです。構成物質のバランスが崩れてしまう訳で
すから、味も苦味を増してしまいます。そこでビール瓶には、紫
外線を通しにくいカーボンが多く使われています。それでも完全
にシャットアウトする事はできませんから、日なたに置く事は厳
禁なのです。
ビールは江戸時代に、オランダ人によって日本にもたらされまし
た。初めて記録に登場するのは、享保9年(1724)の医師/杉田
玄白と建部清庵の往復書簡集『和蘭おらんだ問答』ですが、“麦
酒給見たべみ候処、殊の外亜敷あしき物にて、何の味わいも無御
座候。名をびいると申候”と、こきおろされています。
明治の初めには、薬草が含まれていたため、薬局で売られた
事もありました。まだ王冠もなく、ワインと同じようなコルク栓が
使われていました。
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