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(リキュール) |
リキュールの不思議な世界 カラフルな色彩、立ちのぼる花の香、フルーツの香。フランスの貴婦人たちが、夜会服を選ぶように、 とりどりのリキュールを愛して、宮廷の恋の酒、社交の酒、ファッションの酒となって、ヨーロッパ中に 広まったのがルイ14世の時代でした。最初のリキュールは、古代ギリシャの医聖、ヒポクラテスが薬 草をワインに溶かし込んだ薬用酒をつくったのが始まりといわれています。現在いう意味でのリキュー ルの発明者といわれているのも15世紀イタリアノ医者で、ブランデーにバラの香りをつけたのが始ま りです。 リキュールとは、醸造酒や蒸留酒に果実や花、草根木皮などに砂糖を加えて浸出させた“味と香りの 酒”と定義できるでしょう。もともと薬用酒だったりリキュールには、消化や整腸などの薬効が秘められ、 食後を楽しむ酒でもあります。心身に力をつける神秘的な作用は、その色、香り、成分が相まって生ま れるもののようです。こうして食後はベッドにもつながり、リキュールが恋の酒と呼ばれるゆえんでもあ ります。現代では、その色彩の美しさと華やかなフレーバーを活かして、カクテルやお菓子の材料とし ても使われています。その昔の貴婦人のよううに、クラシックスタイルで、ストレートを楽しんでみるのも 一興。最近では、その華やかな個性にふさわしく、ファッショナブルなファンシーボトルに入ったリキュー ルもあります。そのまま、お部屋の飾りにもなってしまう、お洒落なデザインが淑女への何よりのプレゼ ントとか。“恋の酒”としての伝統は、今なお生きています。 |
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リキュールの楽しみ方 @ストレートで。 食後や就寝前に、軽くストレートで1杯、というクラ シックやり方から、アペリティフ(食前酒)に、オンザ ロックスに、と思い思いに楽しめます。 Aカクテルで。 カクテルがこれほどバラエティーに富んだ、楽しい 世界をもつことが出来たのは、リキュールのおか げです。お気に入りのリキュールをさまざまなスピ リッツや清涼飲料と合わせて素敵です。思いがけ ないオリジナルカクテルが発明できるかもしれま せん。 B洋菓子で。 洋菓子づくりに欠かせないのがリキュール。自分 でつくるのもよし、絶妙の相性を楽しむために、紅 茶の代わりにリキュールでお菓子というしゃれた、 ティー・タイムはいかがでしょう。 |
リキュールベースのカクテル 日本人は元来リキュール好きであったようです。 わが国の文献に初めてリキュールが登場したの は、伊豆下田に黒舟が来航した1852年です。ペ リーは浦賀奉行を船に迎え、一行にさまざまな酒 をだしてふるまったそうです。その時、とくにリキュ ールは一滴もあまさず飲み干されたと記録されて います。また初代在日総領事となったハリスも幕 府の役人にリキュールをしばしば贈り物にした事 がわかっています。当時カクテルが飲まれていた かどうかはっきりしませんが、カクテル好きになる 下地はその頃から十分にあったわけです。 カクテルをおもしろくしているのがリキュールです が、最近はソフトタイプのカクテルは評判です。 その代表的なものがカンパリーソーダなどのカク テルです。簡単で、すぐ出来て、しかもうまい。高 い人気も当然です。そして以前から広く親しまれ ている代表格がバイオレットフィズ。このフィズとい うのは炭酸ガスが遊離する時のシューッという音 をとらえた言葉なのです。最後にソーダを加えた 時の、あの音から名づけられたものだそうです。 主なリキュールベースのカクテル カンパリソーダ、メロンスリング、バイオレットフィ ズ、コロニー2001、ティーポップ、カルーアルミク |