国産第1号ウイスキーはサントリー
大正12年、サントリーの創立者、鳥井信治郎がウイスキーの
国産化を宣言し、わが国で初めてのウイスキー工場を京都郊
外の山崎の地に建設、ウイスキーづくりの第1歩を踏み出しま
した。当時は第1次大戦後の激動の年で、ましてやスコットラ
ンド以外の地で、ウイスキーを作るなどという企ては、冒険とも
いわれました。しかし、天王山のふもと山崎の地が、スコットラ
ンドのローゼス峡にも比較される地の利に恵まれていました。
そして昭和4年(1929)に初の国産ウイスキー「白札」を誕生さ
せました。しかし当初の売れ行きは芳しくありませんでした。
信治郎は日本の豊かな自然と日本人の鋭い味覚は、きっと
スコッチ以上のウイスキーを作り出す事が出来ると信じ、孤軍
奮闘、日本人の味覚にあったウイスキーを求め続け、ついに
傑作「角」と「オールド」を世に出し、やがて、わが国のウイス
キー時代を招来する事になりました。 |
ウイスキーの銘柄は3000以上、最高級品は30年もの
洋酒と言えばウイスキーが最もポピュラーですが、ウイスキー
にはどのくらい種類があるのでしょうか?
代表格のスコッチ・ウイスキーにアイリッシュ、アメリカン、
カナディアン、ジャパニーズ・ウイスキーの5大ウイスキー
やバーボン、ライなど、市販されている銘柄は軽く3000種を
超えるといわれています。
スコッチや日本で作られているウイスキーの主原料は大麦で
すが、アメリカン、カナディアン、ライはライ麦が、バーボンはト
ウモロコシが主原料です。スコッチは、モルトと呼ばれる大麦
の麦芽をピート(泥炭)で焚き、これに水を加えて発酵させ、
蒸留した液を樽詰めして熟成します。熟成期間は数年から10
数年に及びますが、最高で30年とされています。熟成が終わ
ると、ブレンダー達の手で調合が行われます。これを再び樽
詰めして寝かせ、約6ヶ月後にビンに移し替えられ、私たちの
手に入るのです。ビン詰めにされたウイスキーは、保存の仕
方によっては味がかなり落ちる事がありますから、十分に注
意したいものです。 |
ウイスキーの飲み方は?
ウイスキーの飲み方には色々ある。その中でも日本で一番多
いのは水割りである。水割りは文字通り、ウイスキーを水で割
ったもので、シングル=ボトル1本(700ml)から、約22杯の水割
りを作のが普通です。
ストレートは、専用のウイスキーグラス(ショットグラス)で飲むの
が普通です。容量は30ml。ダブルはその倍。
オン・ザ・ロックはファッショングラスに氷を入れ、ウイスキーを
注ぐだけで飲む。おいしく飲むコツはアイスピックでかいたばか
りの尖った大型の氷を入れて飲む事。氷が溶けにくく、しかも
見た目が美しいからである。
ハイボールは炭酸ソーダで割ったもので、ウイスキーに切れ味
をつけて、清涼感を盛り込んで飲む。ベースを焼酎にしたもの
を酎ハイといい日本で広く親しまれている。
コークハイはコーラで割ったものを言う。
ホット・ウイスキーは、中型のタンブラーに好みの分量を入れ
熱湯(60℃以上でウイスキーの3〜4倍の量)を注いだもの。
他にカクテルのベースとして使われています。 |
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ウイスキーのスコッチとアイリッシュ
ウイスキーには色々な種類がありますが、主なものがスコッチ
とアイリッシュ。どちらもイギリスを原産国としている。
本来のスコッチ・ウイスキーははスコットランド地方の大麦麦
芽(モルト)を原料に、単式蒸留機で2回蒸留し、オーク樽で熟
成させるピート香と樽香ののった、コシの強い、ハイランドの田
舎の地酒だった。それが産業革命によって造り出された穏和
なグレーンウイスキーと運命的ともいえる出会いをはたし、今
日の一般的なブレンデッドウイスキーが誕生し、広く世界中で
飲まれる様になった。
一方のアイリッシュはウイスキー誕生の地、アイルランド島で
造られています。マイルドでありながら、穀物の香味が溶け込
んでいる様な味わいです。18世紀、ロシアのピョートル大帝は
「アイリッシュ・ウイスキーこそ、あらゆる酒の中で最良のもの」
と称賛しました。
スコッチとアイリッシュはラベルの表示で見分けられる。スコッ
チはWHISKYと表示、アイリッシュはWHISKEYと、Eの字
が多い。日本で輸入されるイギリスのウイスキーは殆どスコッ
チです。国産品も[KY]です。米国のバーボンは「KEY]。
スコッチはヘイグ、ブラック&ホワイト、ジョニーウォーカー、ホ
ワイトラベル、ホワイトホース、バランタイン、カティーサーク、オ
ールド・パーが有名。アイリッシュはジェムソン、タラモア・デ
ュー、ブッシュ・ミルズ、マーフィーズなどがある。 |
水割りはいつから飲んだ
「ウイスキー=水割り」と誰しも思われる程の水割り全盛の昨
今。では水割りはいつごりから飲まれたのでしょうか。ウイスキ
ーの飲み方を大別すると、ストレート、オン・ザ・ロック、水割り、
ハイボール、コークハイ、カクテルがあります。
戦前は酒席で飲むといえば日本酒がほとんどでした。ウイスキ
ーが大衆化されたのは、昭和30年代初期、トリスバーでハイ
ボールが飲まれてからの事でした。ウイスキーはアルコール濃
度(43度)が高い為、ストレートでは飲めない人もいます。
しかし水割りであれば、自分の体調に合わせて、濃くも、薄くも
でき、女性でも気軽に飲めます。昭和40年代に入ってグランド
バーの流行と共に、ウイスキーを楽しむ方法のひとつとして、
自然発生的に始まりました。
その後、ミネラルウォーターが登場し、全国的に広まり、
水割りがウイスキーの飲み方の主流となりました。 |
ウイスキーベースのカクテル
ウイスキーは男の酒だ、と思っている人もいますが、このウイ
スキーに、優しさや愛や恋や音楽を溶かし込んでみるとどうで
しょう。ウイスキーのカクテル。男達は思わず恋を打ち明けてし
まい、これを聞いた女達は歓喜して同じグラスをゆだねるに違
いありません。ウイスキーのカクテルは、どういう訳だか、女性
に縁が深い。マンハッタンは、故チャーチル英首相の母上が考
えたというし、アイリッシュコーヒーは、失礼ですが、冷え性の
方にはとってもいいんです。女の子の好きなペリエを入れたカ
クテルなど、ウイスキーのカクテルは女の酒だ、なんていわれ
そうです。
主なウイスキーベースのカクテル
マンハッタン、ジンジャーエール割り、マンハッタン・オン・ザ・ロ
ックス、カウボ−イ、ウイスキー・ペリエ、アイリッシュコーヒーな
どがある。 |
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