PART-8 |
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一押二金三男いちおしにかねさんおとこ | |
女にもてるには押しが一番、二番に金ばなれのよさ。三番 めが男前である。 三番めはアカンとあきらめた男がいた。それではと、まず 一番、押しで迫ってみる事にした。なるほど、結構押しがき く。ソレソレと押していき、つい胸あたりをチョイと押した途 端、ピシャリとふられたのである。純情な彼は今、二番め にとりかかり、急に金ばなれがよくなった。で、ボクは女の 子と一緒に、彼にたかって旨いものを食わせてもらってお ります。 三つともないボクは、そっと女の子に聞いてみた。「母性 本能をクスグル人がイイ」との事。ボクはこれから母性本 能を研究するつもりです。 |
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目指す女を手に入れるのは、押しが第一、次に金がある事、三番目が男前である事。 | |
チリも積もれば山となる | |
チリは積もっても、手でサーっと撫でると、すじがつくだけ で、いう程に気にならない。 一円玉は積もっても、有り難くないが、百円玉だとちょっと 心がはずむ。 隣の工場の昼休み。ベルがなると、「あぁ、十二時のサイ レンだ、サイレンだ、サイレンだ、ぞろぞろ、ぞろぞろ、出てく るわ、出てくるわ」 これは中原中也の詩。 ベルは十二時になるはずだが、いつも十二時一分になる。 終わりのベルは五時ちょっと過ぎ、始まりのベルは八時の はずが、一分早い。 一分位と誰でも思う。一万人の労働者が一分ずつ資本家 に労働時間を延長されると…。 一分も積もれば山となる。一ヶ月では…、一年では…、定 年までは…、 「労働者諸君、毎日毎日ご苦労さん」と、フーテンの寅さん の声が聞こえてきそうである。 |
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僅かなものでも積もれば、山のように大きなものになる。小さいことをおろそかにするな。 | |
高かろう安かろう悪かろう | |
値段が高いと品質もよいだろう。安いと悪いだろうと思う が、さてどんなものか。 一杯100円のコーヒーもあれば、一杯うん千円のコーヒー もある。200円のラーメンもあればうん万円のラーメンもある そうな。それぞれモトが違うのであろうが、コーヒーはコーヒ ー、ラーメンはラーメンに違いない。 いずれにせよ、やがて、腹くちて、財布うすくなって帰る のだ。 見た目が同じなら、着物や宝石は高い方がよく売れるとか。 |
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値段の高いものはよい、安いものは悪いだろうと思うのが、人の常だという事。安物買いの銭失いも同じ。 | |
往く往くゆくゆくの長居 | |
女の客の方が尻が長いと皆思う。が、おしゃべりが長いだ けでそれほどでもないようだ。 男は予想に反し、酒を飲みだすと、「すぐ失礼します」、「次 の電車の時間は」などと云いつつ、「あの時はよかった」と何 やら訳のわからん昔話をして動こうとしない。 「まあ、まあ、もうちょっとゆっくりしていけや」 「オイ、酒。オイ、ツマミ」と亭主はオイオイの連発。関白ぶりを ここぞとばかり演じている。 酔った客のなかなか帰ってくれないのは本当に疲れますなあ。 妻は、ハヨ帰レ、ハヨ帰レと心の中で叫んでいるのだ。 |
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もう帰る、もう帰るといいながら、なかなか帰らず、長居する人。落語では「京の茶漬け」が楽しい。 | |
一富士二鷹三茄子いちふじにたかさんなすび | |
めでたい初夢の順序。正月にこの三つを書いた絵を枕の下に 入れて寝ると、この初夢を見て、幸運がくるという。 駿河の国の名物を並べたとも、徳川家康の好物を並べたとも 云われる。富士山は高くそびえ、鷹は幸運をつかみとり、茄子は 望んだ事を為すということだろうか。 他の幸運の夢。 鯛の夢を見るとお金が入る。 頭痛のする夢は出世する。 財布を拾う夢はお金が貯まる。 家を立てる夢は幸福になれる。 火事の盛んに燃える夢は吉兆。 死人の夢は吉兆。 雨の中を駆け回った夢はご馳走にありつく。 衣を返して寝れば思う人を夢見る。 …今夜ためしてみようかな。 夢に見て縁起のいいものとされている。 |
日日是好日にちにちこれこうじつ | |
「今日もよい日だ、タバコがうまい」 線路添いにある専売公社の工場の壁に大書してあった。 「ウン、なるほど」とタバコ好きは思い、タバコ嫌いは「フン、 いい気なもんだ」、小学生は「そんなにうまいものかなあ」と 思うかも。 いずれにせよ、日日是好日で暮らしたい。タバコ好きも嫌い も、老いも若きも、大事な事はその日の運行。朝、トイレから 出てくる時、「今日もよい日だ、ウンコがながい」と、つぶやけ る日はきっとよい日に違いない。 |
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来る日も来る日も楽しく平和な日が続く。一日一日大切に生きる心構えを教えた諺。 |
飲まぬ酒には酔わぬ | |
かの有名な江戸時代のオモシロ人間、蜀山人の話。 彼はチビリチビリと盃を傾けていた。と、ノミがピョンと出て盃に飛び込んだ。 そこで飲み助の歌 「盃に飛び込むノミも飲み仲間、酒のみなれば殺されもせず」 そうしたらナント、ノミも返歌。 「飲みにきた俺をひねりて殺すなよ。のみ逃げはせず晩に来て刺す」とやった。 生意気なノミじゃと敷居の所ででつぶそうとすると、ノミは「口ゆえに引き出されて ひねられて敷居まくらにノミつぶれたり」と辞世を言った。 原因がなければ、こんな結果にはならない。原因があればこそ、こうなったのだという。 |
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この世とはあの世までのヒマつぶし | |
世の中は年中三月常月夜嚊さんがつじょうつきよかかあ十七俺三十負わず借らずに子三人 (これは江戸時代の庶民のこうであったらよいだろうという願望。使っても減らぬ金百万円 入りの財布も欲しい。) 世の中は金と女が敵かたきなり、どうぞ敵とめぐり合いたい(これは 男の願望) 世の中に寝るほど楽なきものを、浮世の馬鹿が起きて働く(そうで すな) 三度食う飯さえ強こわし柔らかし思うままにはならぬ世の中。世の 中は食うて糞して寝て起き、さてその後は死ぬばかりよ。何事も皆 偽りの世の中に死ぬるばかりがまことなりける。 笑って暮らすも一生、泣いて暮らすも一生、です。 所詮、この世に生きている期間はしれている。あの世では永遠に続く。ならば、細かい ことにクヨクヨ悩まないで、気楽に暮らしましょう。 |