パロディことわざ集

PART-7
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うそをつかねば仏ほとけに成れぬ
 子供の頃「ウソをついたら針千本飲まそ!」とユビキリをし
た。ウソをつくと「ウソつきは泥棒の始まり」と叱られた。「閻
えんまさまに舌をぬかれるよ」とおどされた。
 それなのに、少し大きくなると「ウソも方便」。ウソも場合
によっ て必要だと教えられた。
 今、「ウソの世の中」ウソがいっぱいである。「ウソで丸め
る」金儲けの名人。「ウソ八百」面の皮千枚張りの政治家。
そういう人をエライ人と思う。
 仏さまも呆れておられるかもしれない。
仏も迷っている人を信仰に導くためには、方便としてウソをつく。それもよい結果となれば救われる。
まくらを高くして眠る
 何も心配なし。万事順調。気分爽快。日々がそうならばいう  
ことなしだが、なかなかそんな日は来ない。
 実際には、枕が高いと首の骨によくない。病的な人ほど、高い
枕を好むという。低い枕で眠る方が身体によい。ヨガでは枕なし
で眠る。健康法の一つである西式では、木枕で木の板に寝る。
しかし、どんな枕でも結構。一日無事に終わり、安心して、足を
伸ばし、眠ることが出来れば。

心配ことなく、ゆっくり眠る。
石部金吉いしべきんきち
 石部金吉風といわれる人は、それなりのライフスタイル
を持っていた。
 子供の前では務めて権威のある風をよそい、勤勉実直
で、あの人が通ると何時かわかると御近所の人にいわれ
るような判で押したような生活、 いつも同じ服装。いつご
ろから石部金吉風がはやらなくなったのか。
 ある時、友達が「これからは早起きは三文の損、遊びの
精神が必要だ」といった。
 その頃から石部金吉風も古くなってきたように思える。

 「モラトリアム人間が増えた為、石部金吉タイプは減っ
 た。とは言うものの、日本では覚醒剤がはやっている。
 打つとシャキッとなり活力が出る為だ。根はまじめなの
 で、石部吉風が残っているのかもしれない外国ではリ
 ラックスするマリファナ、LSDがはやっている。

※石部金吉以上にまじめな人の事を石部金吉金兜かねかぶとという

  
石や金属のように固い。つまり真面目、固い、融通が利かない人。
脈が上がる
 脈が上がるとき、どんな事を思うのかな。畳の上で臨終
を迎える人なら、「夢は枯野をかけめぐる」のかもしれな
いし、ベッドの上ならば、※※「もっと光を」と思うのかも。
末期の水などいただきながら、脈がきれるのが一番穏当
ですね。でもそうなった時は、ほんとうにおしまいです。
 複雑な世の中になって思いがけない事が起こる。事故
にあったら、救急車、病院。火事にあったら、消防車。そ
の時、あわてても、あわてないで。
 生きている人間には誰にでも、※※※「脈がある」ので
すから。

※芭蕉の辞世「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」
※※ゲートの臨終の言葉「もっと光を…」
※※※前途に見込みがあること

脈がなくなること。死ぬこと。
住めば都
 慣れは恐ろしいもの。住みつくとブツブツ文句をいいながらも、結構この土地に、この家
に満足している自分を見い出す。
 いざ、新しい家へ引越しの時が近づくと、狭いながらも楽しい我が家。もうちーいとここに
住みたい、新しい家なんていらんわと思ったりして、人間て勝手なもの。
 住んでいる所は小なりといえど、気分よく暮らしたいのが人の常、名前だけでも豪華なア
パートに…。例えば、ウィンザーハイム、○○アーベイン、パラッシオ△△、ヴィラウィステリ
アと舌を噛みそうなのであります。
 ちなみに住めば都、住むなら東京だと思っている若者が多いそうだ。一方、都会の中に
住むものは「時鳥ほととぎす自由自在に聞く里は、酒屋へ三里豆腐屋へ二里」などと憧れる。

※窓を開けると電車の車輪だけが視界に入る家があります。この家の住人は電車の音がしないと眠れないと
か。これも“都”なんですね。

どんな淋しい田舎や不便なところでも、住み慣れると愛着が出てくる。
無芸大食
 ある医者の妻。ただただ食べる事が楽しみ。ご馳走を食べ続けて
太りに太り、今では200キロ。思うように動けないからいつも寝そべ
っております。全身成人病の巣、糖が出ている、心臓も腎臓も悪い、
食費はかかる、生命保険も太りすぎてダメ、家庭生活もアカン、心労
が重なり、夫は痩せてゆく。それに対して妻の体重は反比例してゆく
のでありました。
 かくてこの二人、太め一番、痩せ一番とギネスブックにのることとな
った。これも芸のうちでありましょうか。
 ちなみに高見山関の体重は最高の時、198.5キロ、ボブ・サップの
体重は200`。かのギネスブックの重い女の人は413.2キロでした。

大飯を食うほかに何の芸もないこと。
蛆虫うじむしも一代
 「なめくじも一代」というものもある。「縄取蜘蛛くもも一生、袋蜘蛛も
一生」というのもある。
 足がなかったり、ありすぎたりするせいか、そろいも揃って、嫌われ
者ばかり。こうして、人の口の端にのぼり、一生を云々される。つまり
は、人類の精神文明に貢献しているのであります。

よい暮らしをしても、悪い暮らしをしても、一代は一代、
くよくよする事はない。
鵜の目・鷹の目・雀の目
 人間誰しも好奇心あり。御近所の動きにも結構興味を持っているも
のである。
先刻、出かけて行った○○さんの事を、「あの服、去年の四月頃に作
らはって、着るの今日で三回目やわあ、いつもより化粧が濃いから、
デートとちゃう」なんて。出かけた人よりよく知ってる。
 チラッと見ただけだったのにと私。ちょっと待て、ヌヌ、オヌシ、ワシの
行動も服もそのように見ているのだな…、と警戒と共に感嘆。今のとこ
ろ、無害なおしゃべり雀だが、これからどうなるんだろう。

※雀の目はつけたし。巷の噂ではさる国でご近所五人組制度があり、
おしゃべりおばさんが人々の行動を監視しているとか。

鵜や鷹がエサを探す時の鋭い目つきでモノを探す事。
目鼻を付ける
卵に目鼻―色白、卵型の可愛い顔立ちの人。
炭団たどんに目鼻―色黒、目鼻立ちのハッキリしない顔立ちの人
南瓜なんかに目鼻―丸顔で太っていて、肌もあまり美しくない人。
焜炉コンロに目鼻―四角い顔の人。
※※※麻殻あさがらに目鼻―やせて骨と皮の人。
丸盆に目鼻―お盆は丸く浅いので、そういう顔の人。
団子に目鼻―丸々とした顔の人。
玉蜀黍とうもろこしに目鼻―あばたの多い顔の人。
心太ところてんに目鼻―しっかりしたところのないグニャグニャした人。
瓢箪ひょうたんに目鼻―楽しく滑稽な人。
鍋蓋なべぶたに目鼻―色黒く丸く扁平な顔の人。
はしに目鼻―細く痩せた人。

あなたにも、まわりの人にもつけてみたら…

※炭の粉製の丸い固形燃料。
※※カボチャの異称。

※※※皮をはいだ麻の茎、白く軽く折れやすい。

物事の決まりをつける。大体の筋を決めたり、予想をたてたりする事。
持ったが病やまい
 土地成金で大金持ちになった人がいる。先祖代々の百姓をして60年。この世は万
事、金の世の中、思いがけない大金が入って嬉しい。
 まず、立派な家を建てた。着るもの、食べるものも思いのまま。やがて、文化住宅、
貸家なども建てて、利が利を産む。「毎月、家賃の上がりは100万円。それがワシの
小遣いだ」と云う。
「いいなあ。云うことありませんな」と聞かされる方はうらやましがる。「ヨーロッパも行
ったし、アメリカも行ったし、もう少し若かったらなあ」とのこと。
 その次に逢った時は、磨き上げた縁側で、日なたぼっこをしながら、「もう欲しいもの
はないし、したいこともないし、あとはお迎えを待つばかり…」とのこと。「そんな淋し
いこと云わんと…」と云いながら、私自身淋しくなりました。

 もう少し―とか、次はこれ―とか、願いながら暮らすのが、心の健康なのでしょうね。

※仏の迎え。死を待つこと。

なまじ持ったために、苦労や悩みのもとになる事。金や子についていう。
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