PART-6 |
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管くだの穴から点を覗のぞく | |
人間の想像力には限界があるとエライ人が書いていた。 何でも考えを拡げていくと、ある部分より、先は靄もやがか かってくる。 さらにすすめると、元に戻ってしまうといった話。 管の中から天を覗く。この発想を転換しない限り、現実 を正しく見ることは難しいのであります。 しかし、ガリレオ・ガリレイ氏は、管の両端にレンズをつ け、天を仰ぎ見たのです。彼は管の穴で世界を拡げ、宇 宙を見たのであります。 自分の小さな知識、狭い視野で、大きなことにのぞむこと。 |
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話に花が咲く | |
電車やバスの中は話の花ざかり。話の種の週刊誌の吊り広告。 話半分、ウソ半分みたいな広告。乗客の表情、服装、話し声、話 の中にみを置いているような…。 前の人の会話が聞こえてくる。 「沖縄へ行ってきたのよ」「私はハワイへ行ってきたワ」「沖縄の 海は…」「ワイキキの浜辺は…」私の頭の中には、沖縄とハワイ の美しい風景が浮かんできて、デイゴとハイビスカスの花が咲い たのです。 次から次へと興味ある話が出ること |
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旅の恥はかき捨て | |
旅行に行くと、開放感に溢れてつい羽目をはずしやすい。台湾へ出かけた時、制服 さながらワイシャツの男性日本人集団を見た。観光そっちのけで、「ウォンナ・ウォンナ」 と目を血走らせている。若い女と見ると足の先まで値ぶみするが如く視線を走らせ、ニ チャーッとしたナメクジの目で見る気持ちの悪さ。 戦争中も、朝鮮、中国で慰安婦という名のもとにうら若い女性が狩り集められた。「愛 国」のかけ声のもと、戦いの合間の兵隊の犠牲にされたという。他の国ならなんでもや りたい事をする。 日本に戻ると良き兄ちゃん、良きパパなのに旅の恥のかき捨て的発想は今も変わっ ていない。 旅先では知った人もいないし、ずっといるわけでないから、普段はしそうにないことを平 気でする。 <ふろく> 昔、ある好色な男がお稲荷様へお参りに行った時、優雅な女性を見つけた。女は笠 を深くかぶっていて 顔がよくわからなかったので、男は声をかけた。ところが、「奥様をお持ちの方が、行き ずりの女に声などをかけるものではございません」と相手にされなかった。 そこで男「実は、うちの女房の顔は猿の様だし、心もゆがんでいて、もう別れてしまい たくて、後添いをお願いしようとお稲荷様へ来たのです」と言いながら、女の顔を覗き込 もうとすると、突然女が男の頬を力一杯に打った。 「何をするか」と言って女の顔を見ると、それは自分の妻であった。 「あなたは、妻の姿かたちや声も分からないのですか」 妻は、男の後をつけてきていたのだった。 (今昔物語集 巻二十八 話一) |
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せかせか貧乏ゆっくり長者 | |
自分が貧乏な理由がわかった。 ウン、日本人の好きな言葉、「がんばる」という 言葉、これが、いかんかったのである。そうだ。 ついつい頑張ってしまうあなた!果報は寝て待 てというじゃありません。 毎日、精出して働いても貧乏な人もあり、ブラブラ していても気楽な暮らしの人もある。だから働くば かりが能でない。 |
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破鍋われなべにとじ蓋ぶた | |
「仲良きことは美しき哉」そんな色紙がかかっておりまし た。人が何を言おうと夫婦仲のよいのはいいものですね。 先日もテレビで、夫婦和合の秘訣が話し合われてお りました。 @どんな事でも話し合う Aウソをつかぬ B相手の身になって考える なるほど。特にBは大事です。鍋さんと蓋さんのように 別々である事を知る事。一緒に役に立ちながら、時々、 鍋さんは蓋さんに、「オカゲサンでアリガト」といい、蓋さ んは鍋さんに、「ゴクロウサン。アリガト」とお尻をナデナ デしてあげたりして。 そうしたら、どちらも丈夫で長持ち しますよ。 |
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割れた鍋にも、それにふさわしい修繕した蓋がある。似かよったもの同士の夫婦。 | |
美人というも皮一枚 | |
禅の修行に、白骨観というものがあると聞いた。 死体の横で、その死体が腐れ落ちて骨になるまで座禅する。というものだそうです。でもね、そうしてね、悟った人も、やっぱり皮付きの美人を喜ぶと思うよ。つまり「皮一枚の事だから美人なんて」と言うのはエセ坊主。 「皮一枚の美人、ウンそれはよい、しかし、同じ骨じゃわい」つまりは、美人やその皮にこだわる事はないのです。 しかし凡人は、美人にこだわるのです。色の白いは七難かくす、化粧美人、整形美人、素肌美人、銘々美人、「わたしはうつくしい」とあれでも美人になれる時代です。 美しい肌は美人の条件、といっても皮一枚で美人といえるとか。中身こそ大切です。 |
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あまりに円まるきはころびやすし | |
女が男を振るとき、「優しすぎるあなたが私は嫌いなの…」 と言って、振り向きもせず、小走りに去っていく。 いゃあ、かっこよろしいな。そやけど、これはいかんと思わ はりません?女にこんなこと、言わしたらあかんで。こんな ん、「あんたなんか、気ィええだけのブタアやんか」と言われ たみたいなもんや。優しいだけではあかんのや。 −御教訓− 「丸くとも一角ヒトカドあれや人心」であります。しかしながら、 「角かくじゃ世間は渡られぬ。」何ごともほどほどが肝心。 おとなしくてお人よし、人の言いなりでは、相手にバカに されたりして、人生つまづきやすい。 |
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へそが茶を沸かす | |
子供の頃、「へそが茶を沸かす」ということわざを聞いてか ら、ビヤダルのようなお腹の突き出たオジサンが、夏の日、 縁側でお腹を出して土瓶を置いたら、お茶が沸くのではない かと思った。 雷がゴロゴロなると、おへそを取られないように押入れに 隠れた。 スイカを食べている時は、種を一粒でも飲み込まないよう 細心の注意をした。お腹にたまって病気になると思っていた。 しかし、ブドウの種は気にならず、そのうちブドウの木が おへそから生えてきて、ブドウの実がなる、それを食べられ たら…などと思っていた。 遠い夏の日の、食いしん坊の子供の頃の思い出。 ばかばかしくて大笑いすること。 |
ヘソ下ズボン ヘソ上ズボン |
言い出し こき出し 笑い出し | |
大爆発のような屁をする人がいる。かと思えば、音もなく ※みより香り高い屁をする人もいる。 何人かの集りなどの時、どこからともなくただよってくるアノ 香り。少なくとも女の子は騒ぎ出さないので、ぼくは男の屁し かかいだ事がない事になる。 屁をひっておかしくもなし独身者 ※み=うんこ |
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人から聞いた話だが…などと話すが、初めに言い出したのはその人本人だったというたとえ。 | |
朝あしたに紅顔あって夕ゆうべに白骨となる | |
思い出すのは葬儀屋さんのバスや電車の車内広告。季節 ごとに俳句がならでいる。 美しき虹のごとく消え去りし あの様にしてもやれたに七五三 絃切れしままのギターよ夏の月 などなど。 「夕に白骨となる」の世界が、所かわり、品かわり、そこに 見えるのであります。 さて、このような広告を読みまして、何人の人が、「よし、 私はこの葬儀屋にしよう」と思うのでしょうか。 |
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朝、元気だった若者が、夕方には死んで白骨となる。人の命のはかなさ、諸行無常をいう。 |