PART-3 |
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鬼の留守に洗濯 | |
いつも一緒にいると、夫と妻、嫁と姑など、お互い相手が鬼に見える時がある。 鬼が出てゆくと好機到来…と、自分のやりたい事をやって、心の中のモヤモヤ をさっぱりと洗濯するのも生活の智恵。 明治生まれのおばあさんの話。 「お姑さんが、お寺参りに出かける時、『ゆっくり行ってきておくれやす』と云うたら、 『鬼の留守に洗濯、いうて、わたしがちょっとでも長いことおらん方がよろしいのや ろ』と云われ、『ゆっくりお参りして、はよ帰ってきておくれなはれ』と云い直したま した」との事。 ものはとりよう、ものは云いようで難しいものですね。 うるさい者、こわい者のいない間に、自分のやりたい事をする。 |
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精神一到何事か成らざらん | |
精神はこころ。自分の一番大切なもの。やわらかいはずなのに、 精神という漢字になると、どうも固くなる。どうしてなのか考えてみた。 まわりの人…上の人、横の人から、こうした漢字の多い隣の国の 人の言葉をたびたび聞かされる。と、頭の上にかぶることとなり、頭 の中が固くなってくるのでありました。 精神という言葉の好きな人には気に入らぬでありましょうが、私が 訳します。 「なんと云うてもしたい事はしたいねん。どんな難しい事でも、頑張っ たら、きっとできるんや」 精神を集中して事に当たれば、どんな事でもできる。 |
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魚心うおごころあれば水心 | |
知り合いに、いつもどないして人妻と情事を楽しむかという方法論を 徹底研究しているオッチャンがいる。 「浮気ですな」と言うと、「いや違う。情事や」と言う。 実践のほうは言葉をにごす。「情事のできる女ひとはお尻いどみたら わかんねん」とおっしゃる。「経験や」ともいう。 「あほらし。ちゃんと教えろ」というのだが、黙して語らず、やっと 「魚心あれば、水心。目とお尻いどや」というのである。 相手がこちらに好意を持っておれば、こっちも相手に好意を持つ。 相手の出方次第でこっちも応じ方がある。 |
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角力すもうに負けて妻の面つら張る | |
外では7人の敵がいるという、サラリーマンのお父さん。 鬱積うっせきした心のはけ口はいずこへ…。妻の面張るほどの 度胸もなく、なにせ、張りかえされるのがオチですわ。 「メシ」「フロ」「ネル」のムッツリの人。すぐ大声をあげる人。 ニコニコしながら赤ちゃんをあやす、「ペロペロパー」。さて、 そのうち我が子の頬を力いっぱい引っ張ってしまい「ペロペ ロパー」。赤ちゃんを泣かせてしまうお父さんも。 いずれにせよ、弱いものが八つ当たりされるのが、今風な のであります。 ◇外でおもしろくないことがあると、家に帰ってから、妻に八つ当たりする事。 |
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親の十七、子は知らぬ | |
「わたしの若い頃は、朝は暗いうちから起きて働いた。今の若い 人は…」と、おばあちゃん。 「神風と染めた鉢巻きをしめて、戦闘機を作っていたんよ」と、 お母ちゃん。 「カワイコちゃんやから。もてて、もてて」のわたし。 それぞれの十七歳は、それぞれの時代の思いで。あなた の十七歳は? この国はじまって以来の、贅沢と平和の中におればこそ、 こんなこと、言っていられるのですね。 ◇親は子に、若い頃の失敗や都合の悪いことは言わず、よかったこと、立派だったことばかり話す。 |
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竿竹さおだけで星を打つ | |
※竿だけを振り回し、星を落とそうとする息子に、父親が 「屋根に上らにゃ落ちるものか」と笑ったという小咄。 なるほど、こんな話ができるほどの※※星空を、この頃、 ※※※都会では見ることが出来ない。 ※近頃、「サァオ〜ダケェ〜」と売りにくるものはプラスチック製である。 ※※都会で星空を見たことのない子供が、田舎で星空を見て、「コワ 〜イ。空が落ちてくる」と、怖がったという。これはホントの話。 ※※※大阪市の場合、地下街から地上に出たところ、あまり星が見え ない。で、小咄の父親なみに、かしこい私は某○○ビルに上っ て見たが、やっぱり見えませんでした。 ◇出来ないことをする愚かさ。思い届かぬイライラ。 |
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山椒さんしょうは小粒でもぴりりと辛い | |
イワシの辛煮に、ほどよく効いた山椒の香り、小粒がちょうどよい。相撲の世界でも、 小さい力士が大きい力士をなぎたおし、健闘する素晴らしい。 はんたいにおおきいひとは「※独活うどの大木」と言われたりする。ラブ・シーンでちょっ ぴり背の低い少女が、大男の胸に顔をうずめる、小粒の方がさまになるものね。そう いえば風と共に去りぬ」のレッド・バトラーとスカーレット・オハラの接吻シーン。見る方 はドキドキ、ワクワク。だが、ヴィヴィアン・リー扮するスカーレットはクラーク・ゲーブル 扮するバトラーの口の臭いのに閉口したとか。俳優は大変ですな。 さんしょの実でもどうぞ。 ※ウドは若芽のとき食べるが、大きくなると二メートル位になり、役に立たなくなる。大きくて役に立た ぬ人のこと。 ◇身体の小さい人の方が、見かけによらず気性は鋭い。あなどってはいけませんよ、 という意。 |
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鯛も一人はうまからず | |
友達と集まって※楽しい話などをする。そこには鯛の活けづくり…。 ああ、考えただけでヨダレが出る。しかし、こんなチャンスは年に数回。 という訳で、夜中にゴソゴソと起き出し、冷蔵庫を開ける。なにやら 引っぱり出して、スルメなどもあぶって…。 これがまたなかなかのものだナ。どちらにせよ、そんな事を続けて いると、ゴキブリ+ブタ=ゴキブタ人間になっちゃう。 ※飢餓時代から飽食時代へ。楽しい話そのものが、一番のごちそう。 ◇どんなご馳走でも、一人で食べるのは美味しくない。 |