パロディことわざ集

PART-2
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いわしの頭も信心から
ある男、いつまでも若いつもりでいるのに、ジッと見ると、
腹が出ている、髪も薄くなってきている。淋しいなア、と
思っていたが、本屋で、『あなたも鰯で10歳若返る』とい
う本を見つけた。週4回、イワシを食すれば、10歳若返
ると書いてある。何とたやすい事ではないかと感激。
早速、実行の決意をする。缶詰は百円、生
ナマも1盛り百
円、安心して若返れる。
かくて、イワシダンゴ、オイル漬け、辛煮、かば焼、イワ
シ、鰯、イワシの食事となりました。5日目、抜け毛が減
った。顔のシワも減った。たった5日でこんな効き目と大
喜び。
横から見ると、お腹の方は脂肪がたまったのか、ますま
す出てきた様に見えるのだが…。ご本人は若返った、若
返ったと吹聴している。鰯の頭も信心からです。


つまらないものでも信心すれば、仏である
 心頭しんとうを滅却すれば火もまた涼し
「心頭を滅却すれば火もまた涼し」…ああ、いい言葉、私のような怠慢
な人間にとってピリリと身の引き締まるお言葉です。
神社仏閣でたく護摩、水をパッとふりかけると火は消えると思いきや、
かえって勢いよく燃え上がる。不思議、諸々の罪が火と水の力で全部
消えてしまうという。時には炎の形が仏が瑞雲に乗っているように見え
たりするそうな。訓練によって寒さ暑さも感じない。骨々ホネホネ※※行者
がよく火の上を歩いたりする、我々凡夫には無理だが、その心意気は
見習おう。
社長もよく社員にこのような事をいいます。平社員には馬の耳に念仏。
※※インドでは、ジャングルなどに、空を飛んだり、心臓を止めたりする行者がいるそうです。

心に浮かぶ雑念を捨て去れば、火の中にいても涼しく感じられる。
心の持ちようでどんな苦痛も耐えられるという意。
 死人に口なし
カンオケを覗くと、故人の顔がある。口にはワタがつめられ
ております。
あ〜あ、これが最後か、と、溜息をつく。ここで胸をなで下ろ
すアンタはとりあえず悪人。二度と話せぬと思うアンタはとり
あえず善人。
どちらにせよ、故人は何も語らないのであります。
死人がしゃべりだしたら、これは大変。今まで死んだ人が、
いっせいに、あることないこと、ワイワイガヤガヤ。
これぞ口害。死人に口なしでよかった。

◇死んでしまったら何を言われても弁解できない。
  また、死んだ人を証人にも出来ない。
 色男・金と力はなかりけり
昔、男ありけり、名は未央生みおうせい、中国の艶笑小説の主人公、
女色探求を目指し、犬のフグリを切り取ってご自分の一物に加
える手術をおこないました。
精力絶倫の色男となり、多くの世の夫人方をまどわせたそうです。
今はフグリどころか全身、整形手術のおかげで変身でき、簡単に
色男になれるのです。
米国では、政治家の間で整形手術がおおはやり、いい顔に一票
いれたくなるのが人情というもの、そして金と力を持って世の中に
悪をまきちらすのです。

きんたまのこと
◇女に好かれる美男子はとかく金と腕力がない。色男をからかっている。
 石に灸きゅう
陶芸をする人は、陶器を土もの、磁器を石ものと呼び区別
する。素人目には同じ粘土が、かたや土、もう一方は石な
のだそうです。
つまり、磁器は石を粉にして焼いたもの。なんのなんの、
石に灸なぞ役に立たんと
お考えのアナタ。少しばかり手を
かければ、立派なお茶碗。今はやりのニューセラミックス。
これも、石に灸をすえる発想であります。

少しも効き目のない事のたとえ。
 蛙かえるの願立て
だいそれた望みはせぬものである。人のように立って歩きたいと
いう願いをもった蛙が、清水寺に詣り、願をかけた。
「おもしろおすな」と、観音さまは蛙の願をおかなえになる。
「やれ、うれしや」と蛙は立って歩こうとする。
ところが、前が見えない。で、蛙はひからびたのか、舞台からす
べり落ちたのかして、死んでしまったそうです。ヤレおそろしや。



よく考えないで、思いつきで実行しても、失敗しますよという意。
 石亀の脚絆きゃはん          ※脚絆=旅行する時などに歩きやすくする為に脛すねにまとう布
若い世代はなかなかのオシャレさんが多い。ファッショナブルで
ナウイのである。「かっこいいね。どこで買ったの」と聞くと、
「あ、これ、コートはイッセイでしょ。でネ、上がビギ。パンツはネ、
カンサイ。靴は文化屋で980円」「ハ、ハイ。わかりました」とタジ
タジ。ズボンなどと言うのはオジンなのである。「ハァ、似合って
るネ」と、顔をひきつらせてほめる。
しげしげと見ると、レッグウォーマーもしている。実際なかなかよ
いではないか。石亀の脚絆もすてたものではない。

蛇足ながら「飯蛸いいだこにパッチ」。これは足の短いタコに、長い
パッチをはかす。モタモタしてはかどらぬ様子をいう。


亀の短い足に、また短い脚絆をはく。短いもののたとえ。
 明日は明日の風が吹く
いかにも無責任にこの世を渡って行く姿を想像する。この調子で一生過ご
すのは、それなりに努力がいります。
La Cest la vie ラ・セラヴィ(なるようになるさ)、とか「風と共に去りぬ」の
Tomorrow is another dayトゥモロー・イズ・アナザーディ(明日は別の日)
も同じ意味でしょう。
青春時代は、格好をつけて楽しんでいるが、年をとると、あたるのは冷たい
風ばかり。浮き世で頼るのは年金と貯金。そして、たまには猫になって、
人に可愛がられ、ニャーンと暮らしたい、と、思うようになるのかも…。


明日のことは明日のこと。また運が開けて何とかなる。心配線でもよい。
 鬼の霍乱かくらん
学校で集会を開くと、何人もの生徒がひっくりかえる。
自衛隊でもそんなことがあったんだって。今の世代に
鬼のように強い人なんかいなくなってしまったんだ。
と、思っていたら、見つけたゾ。
青白い顔をしている。三日も徹夜したんだって。
だいじょうぶ…ぜんぜんへいき…。
すぎ!マージャンの鬼だって。



霍乱は日射病など暑気あたりふだん、丈夫で病気知らずの人が、病気になること。
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