相合傘



銀色に煙った帰り道
2本あったが一つの傘でと
幼い娘がリクエスト
明るい声が朗々と
傘の中で響いてる
あんなことやこんなこと
娘の思いが心にしみわたる
二人だけの空間に
心と心が通じ合う
父と娘の相合傘

黄色い長靴てくてくと
歩く路面に叩く雨の音
傘布に弾むアルペジオ
繋いだ手からじんわりと
娘の温もり感じとる
すっきりしない 梅雨時も
この時ばかりは楽しいひと時
二人だけの空間に
心と心が通じ合う
父と娘の相合傘

も少しこのまま 回り道
雨に光る紫陽花、姫女苑
六月の景色はテンダリー
乾いた心に潤いを
与えてくれるしっとりと
娘を思い傘傾げ
肩がズブ濡れも幸せ感じる
二人だけの空間に
心と心が通じ合う
父と娘の相合傘

※朗々(ロウロウ)=声などの澄んで,はっきりと聞こえるさま。
※姫女苑(ヒメジョオン)=6〜10月に咲くキク科の花で堤防や道端などに生育する。
※テンダリー(tenderly)=優しく、柔らかく。
※傾げ(カシゲ)=斜めにする。かたむける。








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