●慕嬢詩『思いもよらぬ贈りもの』


子なき身に 「喜寿祝い」など
縁のないことだと 想像の外に置いたまま
ここまで 静かに歩いてきた

けれど・・・ある日
姪がそっとその言葉を 私の手にのせてくれた
思いもよらぬ贈りものが 私の心を包んだ

久しぶりに会う 姪たちの笑顔
その家族たちの にぎやかな声
懐かしさとうれしさが 部屋中にあふれた

久々の兄とは ゆっくりと言葉を交わす
昔よりも 少しやわらかくなった声で
お互いの暮らしを 少しずつ、少しずつ

ギターが奏でる 懐かしい旋律
メロディに重なる 子どもたちの歌声
心に響く音色が 時を戻してくれるよう

パティシエのケーキは 甘い記念日
ケータリングの料理は 祝福の彩り
取り寄せのワインに 少しだけ酔って
幸福感に 心がほどけてゆく

思いもよらぬ 姪の贈りもの
それは 七十七年の道のりに
やさしく咲いた 一輪の花のよう

■この姪は、いとこの中で娘と一番年が近く、保育園や小学校の夏休みには3日ほど彼女の家に泊めてもらい仲良くしてもらっていた。
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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