慕嬢詩 『おにぎり』

 私の若い頃は年中無休で、馬車馬のように働いていた。
 その忙しい中でも、たまの日曜日には家族3人でハイキングに行った。 
 夜の職業なので、朝から車で1時間少々でたどり着ける犬鳴山とか牛滝山とか槇尾山とか。
 渓流のせせらぎを聞き、森林のマイナスイオンを満喫した後の、山で食べるおにぎりは美味しい。
 妻が愛情をこめて握ったおにぎりだ、美味しいに決まっている。娘も喜んでほおばっていた。
 多少塩が効いているが、細胞を守り栄養素の吸収を助ける塩分は、疲れた体にカツを入れてくれる。
 具は子供の好きな鮭と私の好きな昆布と妻の好きな梅干し。おかずは定番の卵焼きにウインナー。
 初冬の寒い中では、背中を丸めて白い息をリズムよく吐き出しながら歩いた。
 ゴールに到着した頃には汗がにじみ、冷たい空気と柔らかな日差しが心地よい。
 ポットから注がれたお茶の入ったコップを両手で包んで温めて飲む。これまた格別だ。
 澄んだ青空の元、景色を眺めながら食べるおにぎりは冷たくても美味しい。
 遠くの山が薄っすら雪化粧して煌めいている。
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
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