hitomi's poem |
hitomiの詩 part64 指輪 瞳の遺品の中から見つけたエメラルドの指輪、 小粒ながらキラキラと輝いて、簡素なデザインながらハッとさせられた。 彼氏に買って貰ったのかな?それとも、自分で買ったのかな? その深みがある緑のジュエルは、ひときわ目を引き、 女性をより美しく引き立たせ、男性を惹きつけるチカラがあるという。 その昔、クレオパトラがこよなく愛したというのもうなずける。 瞳がこの指輪をはめていたのを見た事はなかったが、 エメラルドの上品な輝きが、細くて長い瞳の指にも似合うだろう。 いま思えば、柩(ヒツギ)にお別れの品として入れてあげればよかった。 きっと今ごろ、瞳は天国で明るく輝いているに違いない。 あの時、君を亡くして私は自分を見失い、そこまで気が回らなかった。 色々と思いめぐらせると、目頭が熱くなってきた。 今度会える日が来たらこの指輪を持っていき、 君の指にはめてやりたい、そっと手を握りしめたい。 エメラルドは私の誕生石、会える日まで私の心の中で輝き続けるだろう。 先人は忘れてはならぬ事があれば、指に糸を巻いて忘れない様にした。 それが指輪の始まりだという説がある。 私はこの指輪を見る度に、瞳の細い指と笑顔が目に浮かぶ。 いつまでも忘れないよ、ずっと、ずっと… |
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