hitomi's poem |
hitomiの詩 part57 ダイレクトメール 瞳が不帰永遠の旅に立ってから7年になるが、未だに瞳宛のDMが送られてくる。 それは、瞳が生前に行っていたレストランの『誕生日ディナー』の案内状だ。 時々そのDMで私と妻が行く事があるので、瞳が来店していると思ってか未だに送ってくる。 「お誕生日おめでとうございます」のメッセージを読むと、なんとなく瞳がまだ我が家にいるような気がする。 「生きてたら今年で33歳になるんやなあ」と妻と話していると、ちょっぴり切ない気持ちになってきた。 女性がその歳にもなると世間では結婚している人は多い。そして子供もいる人が多いはず。 「晴れ姿を見れずじまいやなあ」「孫がいててもおかしくない年頃やで」などと感傷的になる。 ずっと瞳の灯し火を我が家から消したくないので、瞳がいない事を店には伝えないでおこう。 そしてまた、そのDMで瞳を偲びに妻とレストランへ行こう。 そして毎回、DMが届く度に瞳の誕生日を思い起こすだろう。 |
|||
|
|||
戻る |
・hitomiの詩 part58 遺影 |
朝起きるといつも 黒いフレームの中の君に 目を細めながら「おはようさん」と声をかけ そして今日もまた「頑張ります」と手を合わす 成人式に撮った 初々しい二十歳(ハタチ)の君の眼差し 目を合わせると 遠い過去に引き戻され思いが募り もう居ないのに まだ身近に居るような気がする 今日は微笑んでいるようだ 昨日、私がいい事をしたから? 今日はなんとなく悲しそう ママと口げんかをしたからか… 今日は何故か怒ってるみたい 「すまん」仏壇が埃をかぶってる その日によって表情が変わる そんな気がする君の顔 今日は君に喜んでもらえるよう 善い行いをしよう 部屋に漂う 線香の匂いに安らぎを覚え 現実からかけ離れた 幽玄の世界へといざなわれて 君と話はできないが 気持ちを伝えれば和みます 寝る前にはいつも 黒いフレームの中の君に 謝意をこめて「よい一日、ありがとう」と礼を言う そして今夜もまた「おやすみなさい」と目を閉じる |
●back |
●hitomi-top |
●next |
|
||
MYホームページ 愛netコミュニティ |