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墓花(ハカバナ) (18/9/1)

 毎年お正月、お盆、お彼岸の娘の墓参りの時に大抵先客がいて、墓花が供えられている。
 墓参りに来たばかり?と思うぐらいの真新しさで、いつも妻と「誰やろな?」と墓花の主を推測する。
 今迄もこの様な時に知り合いに尋ねたが心当たりは無かった。
 いつまでも娘の事を思ってくれる程の優しい人なので、墓地で鉢合わせをして私達に気を使わせない為に早目に来ているのかな、と思ったりもする。
 顔を合わせた事が無い墓花の主に、「一度会ってお礼をしたいね」と言えば、妻は「あんたのブログや娘のホームページに、その旨を書いたら?」と提案した。
 娘のホームページとは、25歳で他界して友達の記憶から消えるのが忍びないと、娘と友達を繋ぐ為にと14年前に開設した。
 『娘のお墓参りの方、いつもお世話になっています。瞳が亡くなってから14年にもなるのに、いつまでも忘れずにお参りして頂き有難うございます。もし差支えが無ければ貴方様のご連絡先を教えて下さいませんか』
 私達が持参した墓花と入れ替えるのは失礼なので、先客の墓花と一緒に花立に挿した。
 少しぎゅうぎゅう詰めだが、他家のお墓よりも豪勢で賑やかになり、瞳もきっと草葉の陰で苦笑しつつも喜んでいることだろう。




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