愛netコミュニティ・雑学集
(科 学)
国産ロケットの第1号
1955年3月に工学博士の糸川英夫が、東京都国分寺市でペンシルロケットの水平発射実験を行った。この実験は全長230mmのペンシル標準型を使用して行われ、長さ1.5mの水平発射台から発射されたロケットがスクリーンを貫きながら飛翔するというものだった。最初の実験は3月11日に行われ、3月23日までに29機のペンシルロケットが発射された。尾翼の取り付け角度や弾頭の重量などにバリエーションがあり、様々なロケット側の条件で基礎的なデータが収集された。
国産初の高層観測ロケット
日本初となる本格的な観測用ロケット「カッパ−4C型」1号機が1957年9月20日、東京大学生産技術研究所(のちにロケット部門が東大宇宙航空研究所として独立し、さらにその後、現在の宇宙航空研究開発機構〈JAXA〉の宇宙科学研究所となる)の秋田県由利郡岩城町(現由利本荘市)にあった秋田ロケット実験場から打ち上げられました。
ブースターを含めた全長は5.93メートル、重さは378キログラムで、高度4万5000メートルに達し、ガイガーカウンターで宇宙線を観測しました。
開発の中心になった糸川英夫博士(1912-1999年)は戦後の日本の航空・宇宙工学を牽引し、「日本の宇宙開発・ロケット開発の父」とよばれました。2003年に、小惑星 25143 が糸川の名にちなんでイトカワと命名されたのは有名な話です。
国産ロケットの「H」の意味は?
宇宙開発事業団によりますと、水素の元素記号「H」(英語で水素はHydroen)から取ったそうです。本体燃料は液体水素と液体酸素を使い、混合して爆発的に燃えるのを効率よく活用、最終的に噴射の形にして推進力を得る仕組みです。新聞紙上などでは[H2]と表記されているが、正式には[HーⅡ」です。
同事業団は昭和44年10月に設立。初期のロケットは「N」の文字を使い、これには「日本」の意味も持たせていました。後ろにつける数字は、改良型であることを示し、大幅な改良は前の文字も変えます。
N1、N2のあとH1に移り、H2の1号機は平成6年2月に打ち上げ成功していました。
ガスの火が逆流しないのは?
ガスの火が逆流したら大変なことになりますが、決して逆流しないのはなぜでしょうか?
「ガスは、ガス管を通して強い圧力で送られてくる。だから炎はガス管の中に逆流しようと思っても出来ないのだ」と答える人がいます。いっけん最もらしく思われますが、実は、全くデタラメ。圧力は関係ないのです。ものが燃えるためには、①燃料があること②その燃料が発火点以上の温度に達すること③酸素が存在していること…という三つの条件が揃っていることが必要条件です。一つが欠けてもものは燃えません。
ガス管の中のガスはこの三つの条件を備えているでしょうか?確かにガス管の中には燃えるもの(ガス)が充満しているから①の条件は満たしています。しかし、その条件は発火点に達するまで熱せられていないし、仮に熱せられていたとしても、酸素が存在しません。三条件のうち一つしか満たしていないのだから、当然ガスの火は逆流しない、というのが正解です。