くすり(medicine)
(1)薬をお茶で飲んでいい?
お茶で飲んではいけない薬は、造血剤、鉄剤など鉄分の入っているものです。お茶の中のタンニンと鉄の有効成分が結合して不溶性のタンニン鉄になり、鉄が吸収されなくなるからだといわれています。
鉄剤以外の薬なら、スープ、味噌汁、牛乳、お茶、コーヒー、ジュースなどと一緒に飲んでも構わないのです。
牛乳は、胃の中で胃液中の塩酸と作用して、胃壁を保護しますから、風邪薬、抗生物質などを牛乳で飲むと胃が悪くなるのを防ぐのに役立ちます。ただし、テトライサクリン系抗生物質だけは、避けた方が良いのです。これは牛乳中のカルシウム、鉄分などがその吸収を防ぐからです。また、催眠剤を煎茶、コーヒー、紅茶などで飲むと、せっかくの催眠剤の効果がなくなります。つまり、特殊な例を除けば薬は何で飲んでも構わないのです。もし、お茶で飲んでしまっても害はありません。
(2)体に入った薬はどこから出るか
病院に行くと沢山の薬をくれます。病院通いを日課としている老人などは飲まない薬を大きなダンボール箱に入れて、始末に困っているほどです。クスリ天国日本です。でも、我々は飲む事は知っていても、それがどこから出て行くのかよく知りません。
体に入った薬は血液やリンパの流れにより、全身に運ばれます。薬は吸収された跡、様々な変化をしながら、排泄されます。大抵は腎臓を通って尿として出ていきます。胆のうから胆汁とともに小腸の方に出ていく薬もあり、腸管のほうに出て大便に混じる時には、鉄剤のように便が黒くなる事があります。水銀剤は唾液にも出てきて、時として口内炎となる事もあるという事です。
また、皮膚からはヨードなど、そしてガスなどは肺から排泄されます。モルヒネ、水銀などは、乳腺からも排泄されるので、授乳期には気をつけて投与すべきです。