(鳥)
(1)フクロウ博士はウソ?
童話や絵本の世界では、物知りで頭のよい鳥と描かれているフクロウですが、実際はどうも違うようです。鳥は体重に比べて、その脳の表面積の割合が少ないこともあって、哺乳類と比較すると鳥類の知能ははるかに低いものであるということが、明らかにされています。なかでは、物覚えの点で優れているのがカラスです。人間に飼われていると名前を呼ばれると答えたり、食べ物をとりに冷蔵庫へ行ったりします。ところがフクロウ博士ともよばれたりするフクロウは、新しい状況に対する適応力に欠ける頭の悪い鳥です。
カラスはあやまちから教訓を学ぶ能力にも優れ、かかしに驚かされるのは最初だけですが、フクロウの場合は、こうした教訓を生かす能力にも欠けています。
フクロウが優れているのは、その視力です。昼間も物が見えるのですが、夜目は驚くほどよくききます。人間の目では物が見えないほどの暗さでも、獲物を見さだめて急襲することが出来ます。この場合のフクロウの能力は人間の十倍ともいわれますが、フクロウは片目では正確に見られません。人間と同じで両目で物を見ますが、これは鳥類ではフクロウだけです。フクロウの視力が非常に優れているため、きっと頭の良い鳥に違いないと誤解されてしまったのかもしれません。
(2)ウグイスが梅の木を好む訳
 梅といえばウグイス。ウグイスといえば梅という具合に、昔から梅とウグイスはワンセットで扱われる事が多いようです。この為、ウグイスは梅の木にしか来ないものだと思っている人がいますが、そんな事はありません。
 二月中旬から三月にかけてがウグイスの活動開始時期ですが、この季節に咲いている花といえば、春に先駆けて咲く梅の花ぐらいなものです。そこで花に飢えた虫たちがこぞって梅の木に集まってきます。ウグイスもその虫たちを狙って梅の小枝にやってきて、ホーホケキョとあの美声でさえずる事になる訳です。
 ですから梅は特別にウグイスから愛されている木という訳ではなく、ウグイスも風流を好んで梅の木に寄ってくる訳でもないのです。