<1999年・2軍のデータ>
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若虎V2 プロ野球ウエスタン・リーグで9月28日に、阪神が2年連続9度目の優勝 を決めた。 優勝へのマジックを「1」としていた阪神はこの日、山口県・由宇で広島と 対戦。先発竹内の力投などで6−3で逃げ切り、自力で優勝を決めた。 阪神は残り1試合に負けても58勝ち34敗8分けの勝率6割3分で、この 日全日程を終了した2位の中日を上回る。 阪神は10月9日のファーム日本選手権(沖縄・浦添)でイースタン・リーグ 優勝チームと対戦する。 選手の強化育成に成果(岡田監督) 岡田2軍監督が、就任1年目にして宙に舞った。「勝って自力で優勝を決 める事ができて、本当に良かった」と語った。 プレッシャーがあった。マジックを「1」とはいえ、残り2試合しかなかった。 対象チームの猛追で、ゴール直前でうっちゃられる可能性もあった。 この日は満を持して経験豊富な竹内を先発させたが、初回、いきなり2連 打と失策で先行を許した。しかし直後の2回に敵失で2点を入れて逆転す ると、あとは阪神ペースだった。「2軍とはいえ、負けられないというマウン ドは(本人に)プラスになる」と岡田監督。 今年は塩谷らを1軍に輩出。特に終盤は、まともにメンバーを組めないほ どだった。その中で頑張ったのが佐々木らベテラン組だった。岡田監督は 「ベテランも含めて、いい結果をファームで残せば、1軍へ上がれるという 一貫したいい流れができていた」と、胸を張った。 井上、2軍での防御率1位確定 この日、中継ぎで2イニングを投げ、規定投球回数に到達。2.34という 数字で、防御率1位を確定させた。「監督に配慮してもらい感謝していま す。でも今年は1度も1軍に上がれなかった。それが申し訳なくて」と、野 村阪神の力になれなかった悔しさを言っていた。
3年目関本「開花」 「重圧の中で1年間やって自信もついたし、階段を1つ登った心境です」と 話す関本は、この日も1打点を挙げるなど、ファームの若手打者では着実 に成長の跡をみせている。 星山ホロ苦胴上げ投手 9回の頭から救援に立ったが、1死から伊予田に1発を浴びた。更に失策 がらみで1点を失ったが、最後の打者を2塁ゴロに抑えた。「ちょっと安易 にいきすぎましたかね。胴上げ投手?いえ、ここまで投げてくれた人がい るおかげですよ」と、おぜん立てをしてくれた仲間に感謝していた。 |
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昨年Vのメンバーの今年 昨年9月10日、ウエスタン優勝を決めた近鉄戦 (鳴尾浜)の先発メンバーの多くは1軍へと巣立 っている。出世頭は田中秀太。ベテランの和田を 押しのけてレギュラーを取り、押しも押されもせぬ 正遊撃手。守備範囲の広さで、再三にわたりチ ームを助けている。北川も故障の矢野に代わり、 本塁を任される毎日。浜中も相手の先発投手が 左だと、スタメンで出る事も多い。 Vのスタメンではないが、塩谷も今年の活躍に目 を見はるものがあり、彼ら若手は野村阪神のスタ ー候補として、来季は真価を問われる。 |
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ウエスタン初代王者は「阪神ジャガーズ」 現行のウエスタン・リーグは1955年(昭30)に始まったが、初年度の優 勝チームは阪神ジャガーズだった。名古屋以西の7球団が24試合のリ ーグ戦を行い、ジャガーズは14勝9敗1分で2位のホークスをかわした。 翌56年も2位に健闘したジャガーズだったが、57年から1軍に合わせ、 タイガースと改称している。 これに先立つ54年に、セ・リーグの2軍チームが「新日本リーグ」を結成。 地方巡業を中心に試合を行った。実質1年しか運営されなかったが、この 際に阪神2軍はジャガーズと名乗り、優勝を飾っている。 虎風荘の梅本正之寮長もジャガーズのユニホームを着て、河西俊雄2軍 監督のもと、投手としてプレーしていたひとり。 |
若虎が初V プロ野球のファーム日本選手権は10月9日、沖縄の浦添市民球場で行わ れ、ウエスタン・リーグ優勝の阪神がイースタン・リーグ優勝の日本ハムに 7−3で快勝し、初のファームでの優勝をした。岡田彰布2軍監督は監督就 任1年目で悲願の日本一。「浜中が打ってくれたんが一番大きい。去年から 4番を打たせてきて、最後の最後でよく打ってくれた。」と喜びをかみ締めた。 阪神は2回、浜中と吉本のソロ本塁打で2点を先行。5回には浜中の満塁 本塁打で突き放した。最高殊勲選手には3安打、2本塁打、6打点の浜中 が選ばれ、賞金100万円を獲得した。
“追っかけママ”の前で宙に4度(岡田監督) 岡田2軍監督の母サカヨさんは、息子の胴上げに目を潤ませた。オリックス 助監督時代の97年から3年続けて、大阪から駆けつけて応援。「監督にな って大変なのは、見ていてもよく分かります。今年は日本一になってよかっ た」。亡くなった夫勇郎さんの遺影を胸に抱き、声を震わせた。シーズン中 は、鳴尾浜にも度々観戦に訪れてきた。「追っかけママしてますから。これ だけがたのしみですねん」。この日の日本一は最高の親孝行だった。 |
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浜中5ランでMVP 3年目の浜中が、阪神を初の日本一に導いた。2回に先制の本塁打を放ち、5回には満塁アーチ。 結局3安打、6打点の大爆発でMVPに輝いた。「昨年も期待されて裏切っていたから、岡田監督に いいバッティングを見せる事ができてよかった」と笑った。 今季は一軍で思うような数字を残せなかったが、野村監督が就任当初から注目する程の逸材。 「来年は一軍でレギュラーを取れるように頑張りたい」。将来が楽しみな21才だ。 尚、1試合2本塁打、満塁ホームランはいずれもファーム日本選手権初。6打点は同選手権記録新。 昨年も3打数2安打しているので、通算成績は8打数5安打・6割2分5厘。 金沢来季1軍アピール 肝っ玉右腕誕生!ルーキー金沢(ドラフト2位)が5回0封。ファーム日本一を決める勝利投手に輝き、 最優秀選手賞を獲得した。「ブルペンでは話にならないぐらい悪かったんですけどねえ。試合に行っ たら普通に投げられました」 金沢は5試合に先発しただけの新人。相手はイースタン最多勝の厚沢で、実績では圧倒的不利だ ったが、5回まで2安打4三振。3塁も踏ませぬ前評判を覆す好投を演じた。 「緊張もしなかったです」と言ってのける堂々のピッチングで来季1軍への大アピールをした。 吉本も金沢援護弾 恋女房の援護弾だ。吉本が2回、浜中の先制ソロの後、2点目をたたき出す本塁打をバックスクリー ン左へブチ込んだ。「先発・金沢の事を考えても、早めに点を取った方が絶対有利やからね」。 守っても、7人の投手リレーを好リード。古沢投手コーチからは「(2点を取られた)8回意外は、完璧 やった」と影のMVPに称えられていた。 |