「サウンド・オブ・ミュージック」
 THE SOUND OF MUSIC
  ―――――――――― 1965年 
監督:ロバート・ワイズ
出演:ジュリー・アンドリュース/
    クリストファー・プラマー
カメラはまるで鳥が舞い降りるように、アルプスの山々から、草原の中でいきいきと歌うジュリー・アンドリュースへ。澄みきった空気さえ漂ってきそうなオープニング。1938年のオーストリア、ザルツブルグ郊外の尼僧院で修行中のマリアは、家庭教師としてトラップ大佐の館へ。ひと筋縄ではいかない7人の子供たちも、マリアの天使のような明るさと美しい歌声に魅了され、厳格な軍人であるトラップ大佐までもが、いつしか彼女に恋心を抱くように。しかしナチス・ドイツの台頭とともに、幸せな暮らしにも戦争の足音が…。平和を望む一家は音楽会を利用して亡命を決行する。この作品のトラップ一家にはモデルがあり、本作は二度目の映画化。『サウンド・オブ・ミュージック』『ドレミの歌』『エーデルワイス』など、数々の名曲とともに躍動感あふれる映像美が見事。勇気とヒューマニズム、家族愛に満ちた、万人が楽しめるミュージカルの傑作です。
「俺たちに明日はない」
 BONNIE AND CLYDE
  ―――――――――― 1967年 
監督:アーサー・ペン
出演:ウォーレン・ベイティ/
    フェイ・ダナウェイ/
    ジーン・ハックマン

フランスのヌーベル・バーグの影響を受け、従来のアメリカ映画の常識とモラルをくつがえしたニューシネマの先駆的作品。1930年代、不況下のアメリカ。少年院出身のチンピラ青年クライドと、田舎町の単調な暮らしに嫌気がさしていたボニーは、知り合うやたちまち意気投合、強盗稼業が始まる。やがて自動車泥棒の名人モスやクライドの兄夫婦が仲間に入り、犯行の過激さは増す一方。警官との激しい撃ち合いをしのいでモスの家にたどりついたものの、彼の父によって密告される。警官隊に包囲された二人は、全身に87発もの銃弾を受けて絶命する。実在のアベック・ギャング、ボニーとクライドは、アンチ・ヒーローとしていまも高い人気を博し、二人がたった二晩過ごしただけの宿のレンガが売りに出されるほど。新人ながらその圧倒的な存在感でボニーを演じたフェイ・ダナウェイは、この作品によってスターダムへの階段を駆け上がっています。
「卒業」
 THE GRADUATE
  ―――――――――― 1967年 
監督:マイク・ニコルズ
出演:ダスティン・ホフマン/
    キャサリン・ロス/
    アン・バンクロフト
優秀な成績で大学を卒業したベンは、パーティーで知り合った魅力的な熟女ロビンソン夫人と関係を持つようになる。ところが彼の両親はこともあろうに、交際相手としてロビンソン夫人の娘であるエレインを紹介。はじめは乗り気でなかったベンも、エレインの純真さを知るにつけ、いつしか愛情へと変わっていく。それに嫉妬したロビンソン夫人は、二人の関係をエレインに暴露。ショックを受けたエレインは、彼のもとを去り、両親のすすめる相手と結婚することに…。結婚式当日、花嫁略奪のクライマックスシーンはあまりにも有名。この作品が映画デビューとなったダスティン・ホフマンは、テストではセリフを忘れ、さんざんな出来だったという。しかし、ニコルズ監督は、『彼にはサムシングがある』と起用を決定。サイモン&ガーファンクルの曲『サウンド・オブ・サイレンス』『ミセス・ロビンソン』なども大ヒット。
「ロミオとジュリエット」
 ROMEO AND JULIET/ROMEO E GIULETTA
  ―――――――――― 1968年 
監督:フランコ・ゼフィレッリ
出演:オリビア・ハッシー/
    レナード・ホワイティング/
    マイケル・ヨーク/
    ローレンス・オリビエ
サイレント映画時代から何度も映像化されてきたシェークスピア悲劇を、大胆な解釈と自由な映像表現で描いたゼフィレッリ監督の代表作。15世紀中頃、ルネサンス黎明期のイタリア、ベロナの街。二大名門として勢力を誇るモンタギュー家とキャピレット家は、激しい対立関係にあった。ある日、モンタギュー家のひとり息子ロミオは、キャピレット家の仮装舞踏会に忍び込み、当家の令嬢ジュリエットに出会う。二人はたちまち相思相愛の仲となるが、ロミオは不本意な決闘から相手を刺殺し、追放の身に。ジュリエットは領主の縁戚にあたる貴族との結婚を強要される。彼女は二人の結婚に反対する者たちをあざむくために、42時間仮死状態に陥る秘薬を服用するが…。中世の典雅な雰囲気をあますことなく伝える撮影技術と衣裳によって2つのアカデミー賞を受賞。ニーノ・ロータの荘厳な音楽も、スタンダード・ナンバーとして長く親しまれ続けています。
「イージー・ライダー」
 EASY RIDER
  ―――――――――― 1969年 
監督:デニス・ホッパー
出演:ピーター・フォンダ/
    デニス・ホッパー/
    ジャック・ニコルソン
麻薬の密売で大金を手にしたキャプテン・アメリカとビリーは特製バイクにまたがって、南へと旅に出る。立ち寄ったヒッピー村では拒絶され、ラスベガスでは警察に留置されるハメに。酔いどれ弁護士ジョージと知り合い、ニューオリンズの謝肉祭を目指すことに。途中、長髪で怪し気な服に身を包んだ彼等を、保守的な人間はまったく相手にしない。レストランでは村人たちに罵声を浴びせかけられ、食事すらとれない。そればかりか、野宿していた三人は村人に襲撃され、ジョージが殺害される。そして行き場のなくなった二人を最後に待ち受けていたものは…。ステッペンウルフの『ワイルドで行こう』など、ロックのリズムに乗せて、麻薬、人種問題、ベトナム戦争など、アメリカの抱える様々な問題をアウトサイダーの視点から描き切ったニューシネマの代表作。この一作でP・フォンダとD・ホッパーは一躍、時代のヒーローへと成長を遂げています。
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