第六話 お医者様

 
ある町に、なかなか男前の医者がおったそうな。娘も、おかみさんも
みんな、男前の医者のところへみてもらいに行った。
 ところが医者の隣りに住んでいる色白の艶っぽいおかみと医者との
仲が通ったり通われたりしているうちに、いい仲になってしもうた。長い
月日が過ぎても、ばかな亭主は少しも気がつかんじゃった。
 あるとき、おかみと医者との一儀がすんでから話し合った。
「なんと、おまえの亭主は、まだ気がつかんのかや」
「へえ、なんにも知りません」
「そうか、今度はひとつ、亭主の目の前で、いい事しようじゃないか」
「そらまた、どないふうにするのですかネ」
「おかみが、病気という事で、そこへわしがみに行く、そうして亭主の
目の前でやってみせるわい」
 そうして二人はあれこれと段取りをきめて、あくる日の約束をしてわ
かれた。
 次の日、おかみは亭主の前でうなりだした。
「腹が痛い、死にそうじゃわい。すまんがお医者様を呼んでくだされ」
「そりゃ大変や。待っておれよ、しっかりしとれよ」
と、隣りへとんだ亭主は、薬籠箱やくろうばこかかえた医者を連れて来た。
「どれどれ、腹痛じゃそうだが、困ったもんだのう」
 医者はおかみさんの腹に手を入れて、徐々に下のほうを探りながら、
「これはあかん、婦人おんなの病じゃ。薬を外から差しこまにゃならんが、
深うても浅うてもいかん。ここはひとつご亭主の力を借りねばならん。
すまんがご亭主のちんぽこの先に薬をつけてやるけえ、おかみさんの
アソコへ差し込んでくれんかいの。ええところで止めておけば、そのう
ちに薬が溶けて、悪いアソコも直るんじゃ」   
 亭主はもじもじと、真っ赤になって言うた。
「お医者様、わしには、そんな事できませんわ」
「そら困る、できんでは、このままおかにが死ん
でしまうぞな」
「けんど、うまく差し込む事ができませんのや。
先生どうしたらええじゃろ」
「困った亭主じゃ。しょうがないの、わたしが代
わってやってみよう」
「ありがとうございます。お願いします」
 そこで医者は自分のちんぽこをしごいて反り
をつけて先端に薬をつけると、おかみの股を
大きくひろげた。
「そりゃ、入れますぞ」グイグイ差し込んだ。
「どうじゃ」と聞けば、おかみさん、
「ハア、先生、入りすぎました」と、少し抜くと、
「アア、先生、出すぎました」。またグイと押し込むと、
「入りすぎました」。また少し抜けば、「出すぎました」
 出すぎた、入りましたと繰り返すうちにおかみさんは荒い息づかい
に、上に下に右に左にと腰を使うのを見てた亭主は、
「おかあ、そんなに苦しいか」

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