第五話 なおるなおる

 
昔、あるところのおかみさん、隣町の医者さまに惚れてしもうた。
病気でもないのに、今日は胸が苦しいとか、今日は腹が痛いとか
云うては通い始めたそうな。医者さまも、うすうす感ずいて来ておか
しなみたてが、毎回続くようになってしもうた。
「先生さま、今日は胸と腹とが痛とうてどうにもなりませぬ。早よう
治して下され」。
「どれどれ、よぉくみてしんぜよう」。
 医者さまが胸もとをひろげると、こぼれるように出てきた豊かな乳
房は、もう大きく波うっていた。医者さまは、おもむろに乳房をもんだ
り、乳首をつまんだり、指の先で撫でまわしたりして、うむ、うむ、
「お内儀ないぎ、少しは苦しいのがおさまりましたかいな」。
「い、いいえ、ますます苦しゅうなってきます。早よういつもの飲み
薬を下さりませ」
 医者さまの下の方も白衣を突き上げんばかりに反り返って、どき
んどきん、と脈打っている一物をおかみさんの口元に持ってきて、
「さ、さ、お内儀、飲み薬をしんぜよう。沢山飲まっしゃれ!」
 ハァ、ハァと荒い息づかいのおかみさんは医者さまの隆々とした
一物を見るなり、素早く口に含んで髪の乱れるのも構わず、しごき
始め一物の根元まで入れてしもうた。医者さまもたまらず、おかみ
さんの口の中へ白い液をドクドク…。
「お内儀、いかがじゃな、少しはよくなり申したかな」。
 おかみさんは目をとろんとさせて、  
「先生さま、今度は下腹がうずいており
ますので、治療して下さりませ」。
「お内儀、このあたりかな」。
「いいえ、もそっと下の方です」。
「では、このあたりかな」
「はい、そこ、そこが痛とうございます」。
「うむ、ぐっしょりと濡れて、ヒクヒク動いている。よほど痛いのであ
ろう、すぐに治療してしんぜるほどに、今しばらく待ちなされや」と、
云うと医者さまは、おかみさんの繁みを撫で回し、時々指を繁みの
奥へ入れたり出したり、指も1本から2本、3本と入れるようになる
と、おかみさんの体は何度もけいれんを起こしては、ヒィーとよがり
声を上げ出した。これを見て医者の一物も元気を盛り返し、ピクン
ピクン、医者さまは内儀の尻を高く抱えると、グイグイと根元まで差
し込むと、「お内儀、今日最後の治療ですぞ!」
 おかみさんも両足を医者さまの腰に絡めて、死ぬ!死ぬ!と叫ん
だ。すると、
「これ、お内儀、わしは医者じゃ、死んではいかん、なおる、なおる、
じゃ!じゃ」。
 ある晩の事、久しぶりに亭主がおかみさんを抱き寄せて一儀を始
めた。おかみさんも久しぶりの亭主に、ハァハァ云いながら、尻を高
く上げて亭主の腰にからませていったそうな。
「なおる!なおる!」

※内儀=人の妻

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