夏の日

ジージーと 眠りを覚ます 蝉時雨
窓越しの 朝の光が 目にまばゆい
今日もまた 暑い一日が 始まった
かくれんぼ 昆虫採集 水遊び
日が暮れるまで 表(オモテ)で遊んだ 子供の頃
今では涼しい エアコンの部屋で テレビの番
片隅にある 娘の遺影が 睨(ネ)めつけて
「お父さん それじゃダメよ」と 天の声
軽装と 白いキャップに 身を包み
それではと 重い腰上げ お出かけをした

ゆらゆらと 歪んで見える 夏景色
青空と 入道雲が 目にまばゆい
照り付ける 太陽の下で 外歩き
海水浴 キャンプファイヤー ハイキング
海、山、大地 自然に溶け込んだ 若い頃
今では散歩の 足取りが重く 気も重い
天国からの 娘のエールは 優しい息
やんわりと 頬をなでる 天の風
いにしえの 淡い香りが 身を包み
片時に 疲れが癒えて 息吹き返す