蜃気楼
港の堤に たたずんで
ぼんやり見つめる その先に
君の面影 揺れている
目映い眸が 誘いかけるが
近寄ろうにも たどり着けない

遠い彼方に 消え去って
触れること出来ない 永遠に
ここには居ない 幻の人
大切なモノを 失ってから
心の中は がらんどう

共に暮らした あの時は
君の気持ちを 気付かずに
何も分かって あげられずにいた
そんな自分が 歯がゆくて
いついつまでも 胸を焦がす

さっき見たのは あの時の
忘れえぬ日の 蜃気楼
波間に儚く 揺らめいて
おぼろに映るのは 涙のせい
幻でもいい そばに居て欲しい
そして乾いた心 潤しておくれ