なやみ
雨雲(あまぐも)が空を 曇らすように
脳裏(のうり)にどんより 雲が(おお)っている
(もつ)れる(あや) 不安にさいなまれ
(ほお)に渇いた 涙の(あと)
君は(こころ)痛めていたんだね
おれ、(たす)けられなかってごめんな
一人で(なや)み抱え込んでも
深淵(しんえん)()まり込むだけ
苦悩(くのう)から抜け出せはしない
あの(とき)、それに気づいていたら
別の(みち)を歩めたはず



押し蓋(おしぶた)重石(おもし)を のせるように
心裏(しんり)に苦悩が 重くのしかかる
(まくら)もとの時計 音が(わずら)わしく
眠れなくて 寝返(ねがえ)り繰り返す
君は(つら)い思いをしてたんだね
おれ、()がつかなかってごめんな
酒を飲んで(まぎ)らわせても
()めれば元の杢阿弥(もくあみ)
何ひとつ解決(かいけつ)はしない
あの(とき)、誰かに打ち明けてたら
少しは気が()れるはず



一人で(なや)み抱え込んでも
深淵(しんえん)()まり込むだけ
苦悩(くのう)から抜け出せはしない
あの(とき)、それに気づいていたら
別の(みち)を歩めたはず
当時、娘は独り暮らしをしていました。
時々、寝られないので睡眠薬を飲んでいると聞いていたのですが、
悩んでいて眠れなかったとは知りませんでした。
私や妻に悩みを打ち明けていてくれたら、気持ちが楽になり、
眠剤に頼ることはなかったと思います。
後で見つけたのですが多量の眠剤の薬の殻がありました。
よほど悩み苦しんでいたのだと思います。
その苦しみに私は気付けなかった事を悔やんでやみません。