慕嬢詩 『紙ヒコーキ』



花柄模様の 便箋に
君への思いを したためて
心を込めて 折り畳む
山折り谷折り 蛇腹折り
遠くへ飛ぶよに 工夫して
優雅に飛ぶよに 折り畳む

緑の芝生が 一面に
広がる近くの 公園で
紙ヒコーキ持って 深呼吸
翼に託す 夢、希望
君に届けと おもいきり
昊天(コウテン)に向けて 押し出した

手から離れて 空滑る 
飛べよ飛べ飛べ 紙ヒコーキ
願いを乗せて 飛んでいけ
晴れ渡る空 突き抜けて
届け届けよ 君の元
望みを乗せて 飛んでいけ

風にあおられ 揺れながら
翼はひととき 空の旅
軌跡を描いて 飛んでいく
自由な翼 見上げれば
閉ざされた心 解き放ち
切なさ辛さも ふっきれた

上昇気流を つかまえて
舞い上がるんだ 愛乗せて 
君に向かって 邁進す
眩しい光に 吸いこまれ
青くて広い 大空の
自由の彼方に 消えていく

※昊天=広い空。大空。
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。




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