慕嬢詩 『白い夏』



日照り続きの白い夏 
うだる暑さのお昼どき
昼餉(ヒルゲ)はさっぱり冷素麺
ツルツルとした 喉ごしが
夏バテの胃に すんなり入り
食欲不振も どこへやら
娘と食べた 遠い日の
流しそうめん 京・貴船
思い出される 白い麺
静かな自然に 囲まれて
白いワンピース 白い腕
白いサンダル 白い脚
緑に映えてた 白い君

カンカン照りの白い夏 
たぎる暑さの昼下がり
潮風求めて 堺港
キラキラ光る 夏の海 
疲れた体に そよぐ風
厳しい暑さも どこへやら
娘と眺めた 遠い日の
黙してたたずむ 防波堤
空にむくむく 白い雲
二人にあいさつ ユリカモメ
沖に揺れてる 白い真帆
光に溶けて 透きとおる
まばゆいばかりの 白い君

※昼餉=昼の食事。
※真帆=帆船の帆を一杯にあげ、追い風を受けて張った帆のこと。
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。



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