花のにおい


窓の外を 仰ぎ見れば
雲一つない 青空が広がる
清々しい 感じになるけれど
急に冷え込み 寒さが逆戻り
ぬくさと寒さが 行ったり来たり
出ていく服を 選(ヨ)るのに戸惑う  
春の陽気とは まだ言いがたい
未だ肌寒い 四月の昼下がり
街を歩けば かすかに漂う
ジンチョウゲのにおい 爽やかに切ない
息を吸い込めば 冷ややかで甘い
花が好きだった 娘を偲ぶ


桜が咲けば 君が目に浮かび
一緒に見たかったと 思いがよぎる 
晴れ晴れしい 春の訪れと
乗り越えられぬ 死別の悲しみ
苦楽の間を 行ったり来たり
それが人生 私の生きる道
持ち返したとは まだ言いがたい
未だうす寒い 四月の夕まぐれ
川のほとりに ほんのり漂う
ユキヤナギのにおい ほのかでもキツイ
息を吸い込めば 穏やかで甘い
遠い昔の 記憶をくすぐる


※時々行き詰った時に幼い時の娘の笑顔を思い浮かべます。心がほぐれて前に進むことが出来ます。



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