慕嬢詩『春の訪れ』

街路の枯れていた木々が
そろそろ芽を吹き始めて
待ちわびた季節が到来
青空に向けて喜びを放てば
あなたが雲間から微笑んだ
昔日の笑い声や手の温もり
胸に残る遠い日の思い出を
しみじみ感じ入る春のひと時

静かで冷ややかな空気が
だんだん温かくなってきて
待ちわびた季節が到来
小鳥のさえずりに心が躍り
土中で眠っていた虫たちが
眠りから覚めて地上に顔を出す
小さな生き物たちの喜びが
生きることの尊さを教えてくれる

風に舞い散る花びらに
春の足音が聞こえて
待ちわびた季節が到来
暖かい陽射しに心高鳴る  
綾なす花々が咲き誇り
風に乗って甘い香りが漂う
こんなにまで麗しい季節を
あなたと一緒に分かち合いたかった

※土中(どちゅう)=土のなか。 地面の下。
※昔日(せきじつ)=過去の日々。むかし。往時
※綾(あや)なす=さまざまの美しいいろどり。美しい模様をつくる。


※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。
#慕嬢詩 #春の訪れ #チャレン爺有村 #有村正

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