hitomiの詩 part91 人生七十古稀なリ
団塊世代真っ只中の私は
人生の終盤に差し掛かかった
大切な節目の古希(コキ)を迎え
まさしく長寿の仲間入り
世間では子供たちに祝福され
いつもより豪華な食事をふるまわれ
記念撮影をしたりして盛り上がり
家族水入らずの時間を楽しむ
だけど私には祝ってくれる子供がいない
15年前に娘を喪(ウシナ)い
夜ごと哀しみに暮れた
今でも時々脳裏に浮かび
こんなに辛い思いをするのなら
長生きなんかしなければよかったと
幾度となく思ったことがある
周りの70歳を見回せば
孫に囲まれて幸せそう
「じぃじ」と呼ばれて嬉しそう
顔をほころばせて孫の話をしている
だけど私には「じぃじ」と呼んでくれる孫がいない
娘が嫁ぐことなくこの世を去ったので
孫の話ができる人を羨(ウラヤ)んだこともあった
しかし、いくら羨んでもせんかたない
運命と寄り添うことが私の生きる道
望む道をしっかり歩み元気でいる事が
あちらの娘に喜んでもらえるだろう
※せんかたない=なすべき方法がない。しかたない。
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