hitomiの詩 part76 クレパス
日曜日
ペンを買う為に立ち寄った
スーパーの文房具売り場
棚を見回して、ふと気がづいた
近頃はクレパスが揃っていない
遥か前
絵を描くのが好きな瞳の為に
買った12色入りのクレパス
初めて手にした幼子の
喜ぶ顔が瞼に浮かぶ
赤、青、黄…
色々なモノに描写してくれる
カラフルな魔法の棒が並んでる
初めての色付きお絵かきは
白い紙に赤い円と放射線状の線
お日様は父親のシンボルだとか
春が来て
黄色い花に赤い花
青い空に白い雲
好きな子猫に可愛い小鳥
見たまま感じたまま
たくさん描いたね画用紙に
父の日に
パパの似顔絵だと
描いてくれた私の顔
太く濃い口ヒゲと黒々とした頭
その髪の毛はフサフサだった
今とは大違い、若かれし日が懐かしい
あの頃は
将来の幸せ求めて懸命に働いた
商売に失敗して落ち込んだ事も
そんな時にクレパスで描かれた
純真無垢な娘の絵を見て
何度、助けられたことだろう
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