hitomi's poem

hitomiの(うた part17(遠い日)

外はどんよりとした曇り空、なぜか気が重い。
今日は瞳の仏壇の前に座り、もの思いにふける。
本人もまさか遺影に使われるとは思ってなかった
希望に満ちた眼差しの成人式の顔写真に目をやる。
こんなに早く不帰の人になるとは思いもよらず
「どうしてなんや」と心の中でつぶやき
「夢に出てきて」と無理を承知で訴える。

目を瞑(ツム)ると25年間の一つ一つが脳裏を駆け巡る。
その中でも一番の思い出は、君との初めての出会い。
私に父親になったという感動を与えてくれた日。
こわごわ腕の中に抱き、顔を近づけた時の
赤ちゃんのあの初々しい匂いがよみがえる。

早いもので、あれからもう28年になる。
父親になった責任感をずしりと感ながら
いい家庭を築き、娘を立派に育てようと
夢と希望を胸に抱き大いに頑張った日々、
今となってはそれは遠い日の思い出。
あの時の夢と希望は叶わぬモノとなった。

※不帰(フキ)=二度と帰ってこない事。転じて、死ぬ事。

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