エッセイ：essay

（cici）

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私の約束　06/4/1 　「三日坊主」とは私の為にある言葉？以前、私は本当に飽き性で根気が なかった。 子供の頃はプラモデルを完成させた事がない。学生時代は小説を読み通し た事が無い。 大人になっても毎年、新年になると抱負をたてるのだが、最後までやり遂げ たためしがない。 本棚には積ん読本が所狭しと並ぶ。後でメモに使おうと、ほとんど白いペー ジの日記帳も十数冊。 　取り得は仕事で、これだけは懸命に働いてきた。家族の為に、小さな夢を 実現させる為に。 だから浮き沈みの激しいスナックを27年間も持続させている。悲しい事にお 金儲けはヘタだが…。 　そんな私が56歳の夏、25歳の娘・瞳を亡くした。あまりのショックで哀しみに 打ちひしがれる日々が続き、 長い間立ち直れなかった。絶望の中で自問するうちに、私の後半生がずっと あるわけではない事に気づいた。 今まで若いつもりで呑ん気に構えていたが、残された時間を有意義に生きな ければと思うようになったのです。 中途半端な生活を続け、“気がついたら何も残っていなかった”のでは、天国 で娘に顔向けが出来ない。 　何か目標を決めて実行しよう。目標をやり遂げる方法は無いか？考えあぐね た末、以前にタバコをやめた時の方法を使う事にした。 これは自分で自分を追い詰めてプライドを揺さぶる方法です。 　私は、「タバコをやめたので、もし目の前で吸っていたら意志の弱い奴とバカ にしてや」と出来るだけ多くの知人に吹聴（ﾌｲﾁｮｳ)して回った。 だからその人達の前では吸えなくなる。吸うと「口だけの奴」と自尊心が傷つく し、信用もなくしてしまう。これで私はタバコをやめました。 　この方法をどのようにして活用するか？熟考の結果、私が開設しているホー ムページで抱負を告知する事にした。 娘の友達も見ている。店のお客さんも見ている。多くの人に公表すれば、せざ るを得ない。 　「文章の勉強に日記をつける。詞を書く。健康面ではスポーツ・ジムに週2〜3 回通う、太極拳を習得する。腕立て130回、腹筋60回、懸垂20回」 　おかげで昨年は生まれて始めて一年間日記を書き通せたし、筋力運動も1年 間ほとんど毎日続けられた。 腕立て伏せなどは当初50回位しかできなかったが、今では300回も出来る様に なった。継続は力なり…、ほんとうにチカラがついた（笑い）。 　そしてジムも週3日、ほとんど休む事無く続けられた。副産物として二四式太極 拳を身につけられたし、苦手だったクロールもマスターできた。 それも連続で1kmは泳げるようになった。また、自己流でどうしようもなかったカエ ル泳ぎが、中級の平泳ぎのレベルに上達した。 　生来（ｾｲﾗｲ)気が多い私の事、一つ二つうまくいくと次から次へと欲が出てくる。 　今年の抱負は「ブログを開設。作曲を習得。ジムでラテンダンスと水泳のバタフ ライに挑戦！健康面では太極拳、腕立て350回、腹筋100回、懸垂30回。背筋30 回をほとんど毎日する」 　作詞・作曲の腕を磨いて店のお客さんを題材に、それぞれ一人一人の“顧客の 個曲”（パーソナル・ソング）を作ろうと思いついた。 いいねえ、人に夢を与えられるではないか。 　やりたい事を色々考えると面白くなってくる。それでは来年の抱負は、えーっと、 あれとこれと・・・。今年が始まって間もないのに、来年の事を云えば鬼に笑われる。 ん、笑う門には福来たる？「いいことがあるんや」とほくそ笑む。何でも都合のいい ように解釈するのは自信の表れか。 　ホームページで新年の抱負を告知する、これが私自身への「約束」です。 　娘を亡くした私は今、若い人達に目標にされる人間になりたいと思い、自分を磨い て頑張っている。 その為には目的を明確にし、実行しなくてはいけません。その最適の方法として「私 の約束」を活用しています。 ※打ち拉ぐ(うちひしぐ)＝精神的な衝撃などで気力を完全になくさせる。意気消沈さ せる。 ※生来＝生まれつき。

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