hitomi's poetry |
想い出綴り−39 川の字 |
cici | |
瞳が幼い頃はいつも妻と私の間に瞳を挟んで川の字になって寝た。 寝がえりをうって小さな手が私の腕に、小さな足が私の胸に寄りかかる。とても愛おしく思った。 逆に私が寝がえりをうって瞳に覆いかぶさらないか気を使って寝たので寝不足の日が続いた。 それでも可愛い寝息となんとも言えない幼子の匂いが幸せに感じ、寝不足の疲れは全く感じなかった。 布団に川の字を描く時は、子どもにとっても親にとっても愛情の通い合う時間だった。 お手々つないでの買い物も公園の散歩もいつも川の字、時々瞳はぶら下がってはしゃいだ。 夕焼けの帰り道、地面にも、愛に満ちた川の字が描かれていた。 ある日、知り合いのうどん屋さんのカウンターに座って3人でうどんを食べていた。 すると後ろのテーブル席から「川の字が微笑ましいね」と年配の女性に声をかけられた事があった。 川の字は私たち親子三人のほのぼのとした平和のシンボルだった。 |
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