健康note-2

○ポリグルタミン酸
納豆特有の粘りのもと
ポリグルタミン酸とは
 納豆の“ネバネバ物質”ともいわれる糸引き成分です。アミノ酸の一つでうまみ
のあるグルタミン酸が、約三千個もつながった非常に長い化合物であるため、特
有の糸引きと強い粘りがあります。
ポリグルタミン酸の合成メカニズムを解明
 納豆菌を煮大豆に植えると発酵が始まり、納豆菌は盛んに増えます。12〜16
時間後には、菌の数は飽和状態になりますが、ここではまだ糸を引きません。
納豆菌はこの飽和状態を感知すると、一斉にポリグルタミン酸を作り始め、数時
間後には、大量のポリグルタミン酸ができるのです。
 それが、糸引き納豆です。同時に納豆菌はプロテアーゼという酵素で煮大豆の
タンパク質をアミノ酸に分解し、うまみ成分を作ります。こうして、粘りとうまみが
兼ね備えられると、納豆の出来上がりです。
納豆菌がポリグルタミン酸を作る目的も解明
 まず一つは、“ネバネバ”が周りにあることによって、納豆菌のウイルスである
ファージの感染から守ることができます。もう一つは栄養の貯蔵。納豆菌は、
飽和状態を栄養飢餓の前兆と判断します。まず栄養をポリグルタミン酸として
貯蔵しておき、飢餓状態になったら少しずつ分解して、食べます。納豆が古く
なると糸を引かなくなるのはそのためです。
ポリグルタミン酸の機能性は?】
 最近の動物実験で、ポリグルタミン酸が腸からのカルシウムの吸収を促進す
ることがわかりました。人でも同じだろうと考えられています。
納豆をおいしく食べるコツ】
 まず、粘りを出すなら小粒納豆。pack当たりの大豆の表面積が大きく、納豆
菌がよく増殖するので、ポリグルタミン酸やアミノ酸が増え、粘りもうまみも強い
です。次に混ぜ方ですが、塩分や酢があると糸が引きにくいので、先に納豆を
混ぜて粘りを出してから、しょう油などの調味料を入れるとよいでしょう。最近は
さまざまな種類があるので、好みの納豆を見つけてください。
参考料理
韓国風納豆そうめん
<材料>(4人分)
そうめん…6束、納豆(小粒、50g)…3pack、白菜キムチ…80g、ニラ…1/3束、
鶏がらスープ、塩、コチュジャン、酢、酒、ゴマ油
<作り方>
@・白菜キムチは粗みじん切りにする。
A・ニラは7mm幅に切り、塩少量をふってもみ、固く水気を絞る。
B・ボウルに納豆を粘りが出るまでかき混ぜ、@Aと鶏がらスープ1/3cup、
  コチュジャン大さじ2 1/2、酢、酒各大さじ1 1/2、ゴマ油大さじ1/2を加えて
  さらに混ぜ合わせる。
C・そうめんはたっぷりの熱湯で表示に従って茹で、ざるにあけて流水下でもみ
  洗いし、水気をきる。
D・器にCを盛ってBをかける。
◆そうめんは、茹でたらすぐに流水にさらし、完全に冷めるのを待ってからぬめり
がとれるまでもみ洗いする。温かいうちに手を入れると、手の脂やにおいが移り
やすいので注意。◆辛みは白菜キムチ、コチュジャンの量で好みに合わせて加
減するといい。
◆熱量416kcal、タンパク質16g、脂質7g、塩分1.6g