健康note-2

○シュードウリジン
ビールで発がん予防?
発がんのメカニズムは?
 細胞の性質を決めているのが遺伝子です。発がん物質などの影響で、遺伝
子のDNAの性質が変わったり、損傷することを突然変異といい、それが何度も
起こると、がんになります。DNAの損傷、突然変異を防ぐことが発がん予防に
つながるので、さまざまな食品で研究されています。

 そこでビールでも実験。サルモネラ菌に発がん物質を加えた実験で、ビール
がDNAの損傷率を50%に減らしました。がんの原因はDNAの損傷なので、
ビールが発がんの第一段階を予防したということです。
どのビールでも効果があるか?
 日本、ドイツ、地ビール、黒ビールなど市販のビール約二十種類で実験しま
した。銘柄によって損傷率は違いますが、どれも効果がありました。それで、
ビールのどの成分が効いているのか調べてみたら、シュードウリジンだったわ
けです。麦芽に含まれる核酸成分で、植物、動物にも広く含まれます。今回、
初めてビール中に存在し、このような作用があるとわかりました。
シュードウリジンの人での効果は?】
 残念ながらまだわかりませんが、確認されれば、毎日手軽に飲めるビール
の量で効果を期待できます。また、アルコールが抜けても大丈夫なので、飲
めない人は料理に使うといい。
今後の研究は?】
 人の細胞での実験を始めました。はっきりしたことは言えませんが、効果が
期待できそうな傾向です。それともう一つ、人にとって注目すべき実験結果が
あります。実は、中国の実験で漬物などに使われる亜硝酸と魚を一緒に食べ
たら、実際に人の胃液中でメチルニトロソウレアができたという報告がありま
す。メチルニトロソウレアは胃がんの原因と考えられていて、今回のサルモネ
ラ菌の実験で、シュードウリジンが、このメチルニトロソウレアによるDNAの
損傷を、50%以下に抑制しました。これらの結果は、シュードウリジンが発が
ん予防につながる、とても興味深いものです。
参考料理
フルーツビアゼリー
<材料>(4人分)
粉ゼラチン(5g)…1・1/2袋、ビール…3/4cup、ジュース(パイナップル、または
オレンジ、またはクランベリー)…1cup、砂糖
<作り方>
@・粉ゼラチン、水大さじ2を合わせ、しばらくおく。
A・鍋に水1/3cup、砂糖40gを温め、砂糖を煮溶かして火から下ろし、@を加え
混ぜて溶かし、ジュースを加え混ぜる。
B・別の鍋にビールを一煮立ちさせてアルコール分を飛ばし、火から下ろす。
C・BにAを加え混ぜ、鍋底を氷水にあてながら混ぜて粗熱をとり、水でぬらし
  た器に流し入れ、冷蔵庫で冷やし固める。
◆ゼラチンを水でふやかすときは、水に粉ゼラチンをふり入れる。その逆に、粉
ゼラチンに水をかけると一部にしか水が行き渡らず、均等にふやけない。
◆アルコールが苦手な人は、ビールを長めに煮立てて、しっかりとアルコール
分を飛ばすといい。
◆熱量74kcal、タンパク質2g、脂質0g、塩分0.0g