健康note-2

○クマリン
かんきつ類の皮に含有
クマリンとはどのような成分?
 桜もちや干し草の香りがクマリンで、植物に広く含まれています。もともと桜
の葉にはありませんが、塩漬けの過程でわずかにできます。同じように干し草
も、干している間にできます
クマリンを多く含むものは?
 代表的なものは果物のかんきつ類です。ハッサク、甘夏ミカン、グレープフル
ーツ、ユズなどの皮にあります。野菜では、セリやセロリなどのセリ科。セロリが
傷んで褐色になるのは、クマリン化合物ができているのです。
クマリンの機能性は?】
 かんきつ類の皮にあるオーラプテンというクマリン化合物に、がんの発生を抑
える効果があると考えられています。動物実験ですが、マウスの皮膚がん、ラ
ットの大腸がんの前兆症状、口腔(こうくう)がんの抑制などが確認されています。
クマリンのメカニズムは?】
 体内で不必要な活性酸素が生じるのを抑え、細胞を傷つけたり、過酸化脂質
ができるのを防ぎます。さらに解毒機能の活性を高めて、発がん性物質の排泄
はいせつを促進すると考えられています。今後は、人への効果も期待されています。
赤ワインだけを飲めばよいのですか?】
 赤ワインは抗酸化物をとる為のアドバルーン的存在。お茶、カカオ、玉ネギ、
ブロッコリー、ゴマ、みそ…。いろいろな抗酸化物を毎日とることが大切です。
3度の食事が重要になりますが、特に朝食は大切で、抜くのは危険ですね。
酸素を吸って生活を始めようというときに、何の防御もせずに飛び出すことに
なりますから。
オーラプテンは果皮にある?
 分析の結果、果皮に多く含まれていました。クマリン化合物は脂溶性なので、
果肉よりも果皮の精油に溶けやすいからでしょう。また加工品では、グレープ
フルーツジュース、甘夏ミカンを使ったマーマレード、ユズのポン酢にも含まれ
ていました。
果肉にはないのか?
 果皮の数十分の一程度しかありません。例外はカラタチで、果皮にも果肉にも
多量のオーラプテンがあるのですが、とてもまずくて食用にはなりません。
そのカラタチを改良している
 果樹研究所では、カラタチと他のかんきつ類をかけ合わせ、果肉にもオーラプ
テンをたくさん含む種類を作りました。一応、食べられるものになりましたが、
まだとても酸味が強いので、よりおいしくなるように改良しているところです。
参考料理
豚しゃぶサラダ・甘夏ポン酢
<材料>(4人分)
豚ロース肉(しゃぶしゃぶ用)…300g、甘夏ミカン…2個、モヤシ…1袋、
ニンジン…1/4本、カイワレ…1pack、アサツキ…5本、酒、薄口しょう油、酢
<作り方>
@・豚ロース肉は酒大さじ2を加えた熱湯で1枚ずつ茹で、水気をきる。
A・甘夏ミカンは横半分に切って、果汁を絞る(正味量300cc)。皮1/2個は
  すりおろす。
B・モヤシはひげ根を取り除き、熱湯でさっと茹でて水気をきる。
C・ニンジンは細切りにし、熱湯でさっと茹でて水気をきる。
D・カイワレは根元を切り取り、長さを半分に切る。
E・アサツキは小口切りにする。
F・耐熱容器に薄口しょう油1/2cupを入れてラップをかけずに500Wの電子
  レンジで1分加熱し、粗熱を取り除いてAの果汁と皮、酢1/4cupを加え
  混ぜる。
G・器に@と軽く合わせたBCDを盛り、EFを添える。
◆甘夏の酸味や甘味に合わせて、酢や薄口しょう油の分量を加減する。
◆水っぽくならないよう、豚肉や野菜を茹でた後はしっかりと水気をきる。
◆熱量234kcal、タンパク質18g、脂質13g、塩分3.3g