健康note-2
○キチン・キトサン |
血圧低下と肥満予防 |
【キチン・キトサンとは?】 二十数年前まで、人間の消化管で消化できない食物繊維は、栄養にはならない 食べ物のかすとして見向きもされませんでした。ところが、その後さまざまな機能性 があることがわかり、注目されています。 動物性食物繊維・キチン・キトサンの、キチンとキトサンは別です。キチンは、エビ やカニの硬い殻の構造成分で、イカの軟骨、キノコの細胞壁、イナゴなど昆虫の外 皮などにも含まれる多糖類です。一方、キトサンは、キチンをアルカリ処理した分解 物です。これにはまだキチンが20%程度残っているので、二つの物質名を合わせて 『キチン・キトサン』と呼んでいます。 |
【どのような機能性が?】 まず、血圧低下作用です。食塩制限を強いられている本態性高血圧の患者さん も、キチン・キトサンを食事の直前にとれば、安心して塩味の効いた食事をとれます。 なぜ血圧が下がるのか…、キチン・キトサンは、食塩中の塩素を吸着して排泄(は いせつ)する働きがあります。従って、摂取すれば体には血圧を上げるといわれてい るナトリウムが残るはずです。ところが、反対に血圧は下がりました。調べてみると、 塩素はアンジオテンシン転換酵素という酵素を活性化して血圧低下作用をもつ物質 を分解し、血圧を上げる物質を作ることがわかったのです。つまり、血圧を上昇させ るのは食塩中のナトリウムでなく、塩素だったのです。 |
【肥満予防効果も?】 女子大生の実験で、ケーキと一緒にキチン・キトサンを食べると、血中の中性脂肪 が低下しました。これは、食品の脂肪が腸管で吸収されるのをキトサンが遅らせるの で、脂肪が燃えやすくなったからです。 |
【どうやってとればよいのか?】 エビやカニの殻は、食物繊維としての効果はありますが、キチン・キトサンとしての 生理作用は、主にキトサンにあるので、健康補助食品を利用するとよいでしょう。 また、特定保健用食品のキチン・キトサン含有のビスケットは、人の血中コレステロ ールの上昇を抑えるので、コレステロールが高い人の食生活の改善に役立ちます。 |
【参考料理】 小松菜とサクラエビの炒めもの <材料>(4人分) 小松菜…1束、シメジ…1pack、サクラエビ…20g、酒、しょう油、みりん、ゴマ油、 サラダ油 <作り方> @・小松菜は根元を切り、4cm長さに切る。 A・シメジは石づきを切り、小房に分ける。 B・鍋でサクラエビを空いりし、取り出す。 C・Bの鍋にサラダ油大さじ1を熱して@Aを炒め、酒、しょう油各大さじ1・1/3、 みりん大さじ1/2で調味してBを加え混ぜ、さらにゴマ油小さじ1を加えて一混ぜする。 D・器にCを盛る。 ◆サクラエビは空いりすることで香ばしさが増す。焦がさないように混ぜながらいる のがポイント。 ◆小松菜のほか、下茹でしたホウレン草やピーマンで作ってもおいしい。 ◆熱量81kcal、タンパク質5g、脂質4g、塩分1.2g |