健康note-2

○ケルセチン
抗酸化性を高める
日々の食卓に欠かせない野菜、玉ネギ。古代エジプトから
世界中で使われ続けている理由の一つは、その機能性に
あるようです。色素成分のケルセチンについて調べました。
ケルセチンとは?
 植物の黄色から赤色の色素成分フラボノイドの一種です。フラボノイドは、緑茶
のカテキンや大豆のイソフラボンをはじめ、四千種類以上もあるといわれ、ケルセ
チンは野菜や果物など植物性の食品に広く含まれます。中でも玉ネギには多く、
特に茶色い薄皮は草木染に使われるほどですが、一個当たりでは、皮よりも実
の部分に多く含まれています。実際、日本人は玉ネギから多くのケルセチンをと
っています。また、リンゴでは実よりも皮に存在し、皮ごと食べる習慣があるヨー
ロッパでは、玉ネギと並ぶよい供給源になっています。
健康とのかかわりが?
 オランダやフィンランドの調査では、玉ネギやリンゴなどケルセチンを含む食品の
摂取量が多いほど、心疾患の発症率が低いことがわかっています。これは、ケル
セチンの抗酸化性により、心疾患の原因になる活性酸素が消去されるためではな
いかと考えられています。私たちは人での実験で、食べた玉ネギのエキスが体の
中に入って血中の抗酸化性を高めたことを確認しました。このことは、動脈硬化の
予防につながると期待されています。
そのほかに分かっていることは?】
 まだサルモネラ菌や動物実験の段階ですが、発がんの第一段階である、遺伝子
の障害に対して抑制作用を示し、突然変異を防ぐ効果がありました。つまり、抗変
異原性が認められたということです。
どのように食べたらよいのか?
 玉ネギを生で食べてもよいのですが、ケルセチンは熱にも安定しているので、炒
める、揚げるなどの加熱調理にも向きます。ただ、煮る場合は、煮汁中に溶け出し
てしまうので、煮汁も一緒に飲んで下さい。みそ汁に入れると、大豆のイソフラボン
もとれるのでおすすめです。また、紫玉ネギといわれる赤系玉ネギにも、赤い色の
アントシアニンで隠れてはいますが、ケルセチンが入っているので、利用して下さい。
参考料理
玉ネギのスープ
<材料>(4人分)
玉ネギ…2個、ニンジン…1/4本、セロリ…1/2本、キヌサヤ…12枚、
白ワイン…大さじ3、固形スープ、塩、コショウ、サラダ油
<作り方>
@・玉ネギは薄切り用スライサーで薄切りにする。
A・ニンジンは細切りにする。
B・セロリは筋を取り除き、細切りにする。
C・キヌサヤは筋を取り除き、塩少量を加えた熱湯で茹でて水気をきり、斜めに
  細切りにする。
D・鍋にサラダ油大さじ1・1/2を熱して@を焦がさないように弱火で30〜40分、
  薄いキツネ色になるまで炒め、A・Bを順に加えて炒め合わせる。
E・Dに白ワイン、水5cup、固形スープ1個を加えて木べらで焦げをこそげ落とし
  ながら一煮立ちさせ、アクを取り除きながら3分煮、Cを加えて塩小さじ1/3、
  コショウ少量で味を調える。
F・器にEを盛る。
◆玉ネギの薄切りの厚さを切りそろえ、均一に炒めるのがポイント。スライサーが
ないときは、手元に注意して包丁で薄切りにする。
◆熱量96kcal、タンパク質1g、脂質5g、塩分1.0g