健康note-2

○複合カロチノイド
肝発ガンに抑制効果
世界で初めて、食品成分である複合カロチノイドが肝臓
での発がんを抑制すると、臨床試験で確かめられ、2002
年10月、日本癌(がん)学会で発表されました。
まず、研究の経緯は?
 日本には200万人を超えるC型肝炎患者がいます。この肝炎は、肝硬変を経て
肝がんへ移行するリスクがとても高く、肝硬変から一年で18%、五年では50%近
い人が肝がんになるほどです。そこでインターフェロンやほかの抗ウイルス剤を用
いてC型肝炎ウイルスの除去治療を行うのですが、完全治癒率はよくても60%止
まり。約40%には効果が不十分なので、ほかに何かよい方法を見いだす必要が
あります。
 それが複合カロチノイドなのです。もともと私たちは、食品の色素成分であるカロ
チノイドのがん抑制効果を動物実験で証明していました。例えば、トマトの赤色色
素のリコピン、ニンジンやカボチャのα、β−カロチンは、肝発がんを抑制します。
しかも、カロチノイドを複合するとより効果的なので、リコピン10、β−カロチン6、
α−カロチン3、そのほか1の割合で複合カロチノイドカプセルを作りました。
 それを用いて臨床試験を行いました。京都府立医科大学生化学教室の西野輔
翼教授が、共同研究者の元四国がんセンターの神野健二先生が診ておられる肝
硬変患者さんに了解を得て、82人を二グループに分け、一方に複合カロチノイドカ
プセル(一日当たりの総カロチノイド投与量20mmg)を飲んでもらいました。すると、
二年を過ぎたころから肝発がん率が低くなり、五年後には飲んでいないグループ
の約三分の一という、優れた抑制効果が得られました。それで、八年を予定して
いた臨床試験を五年で終了し、その後は飲んでいなかったグループを含め、全員
に飲んでもらっています。
カロチノイドは20mmg必要なのか?
 日本人は毎日、2〜6mmgのカロチノイドをとっており、健康な人には十分な量で
す。ただ、C型肝炎、慢性肝炎などハイリスクの人の場合には、20mmgとると効果
があることが今回わかったのです。必要な20mmgをすべて食事からとるのは難し
いことなので、その場合には複合カロチノイドカプセルが役立ちます。
参考料理
プチトマトの野菜の揚げ漬け
<材料>(4人分)
プチトマト…20個、ジャンボピーマン(黄) …1/2個、マイタケ…1pack、
カボチャ…1/6個、レモン汁…大さじ1・1/2、トウバンジャン…小さじ1/4、酢、
しょう油、砂糖、コショウ、ゴマ油、揚げ油
<作り方>
@・プチトマトはへたを取り除く。
A・ジャンボピーマンはへたと種を取り除き、7mm幅に切る。
B・マイタケは石づきを切り、適当な大きさに裂く。
C・カボチャはへたと種を取り除いて長さを半分に切り、さらに7mm厚さに切る。
D・170℃の油で@Aをそれぞれサッと揚げる。
E・170℃の油でBCをそれぞれ色よく揚げる。
F・バットにレモン汁、トウバンジャン、酢大さじ3、しょう油大さじ2・1/2、水大さじ
  1、ゴマ油小さじ2、砂糖小さじ1/3、コショウ少量を混ぜ合わせてDEを入れ、
  時々返しながら20〜30分漬ける。
G・器にFを盛る。
◆プチトマトは、揚げている途中ではじけないよう、丁寧に水気を抑えてへたを取っ
ておく。また、すぐに皮がむけてくるので、手早く揚げるのがポイント。
◆熱量179kcal、タンパク質3g、脂質12g、塩分0.9g