健康note-2

○ビオチン
加熱調理した卵で効率よく
ビオチンの働き
 ビオチンはビタミンB群の一つで、皮膚炎を防ぐ物質として見つけられま
した。ほかのビタミンB群のビタミンB2、B6、ナイアシン、パントテン酸など
と同様、皮膚を正常に保つために必要な物質を作り出すのにかかわって
います。不足すると皮膚炎を起こし、薄毛や白髪を増やす原因になったり、
つめが傷んだりします。
 また、糖質がエネルギーに変わるのを助ける補酵素として働くので、不
足すると食欲不振などを招き、元気がなくなったりします。そのほかにも、
DNAの成分である核酸を作る、脂肪酸やアミノ酸の代謝に関係するなど、
体を正常に機能させるための多くの働きがあります。
 また、神経や脳とのかかわりも深く、不眠症や時差ぼけの解消に効果が
あり、集中力や記憶力を高めます。末梢(まつしよう)神経の傷にも効果が
あるので、腰痛の治療に使用され、肩こり、手足のしびれも改善します。
ビオチンのトピックス
 最近注目されているのは、アトピー性皮膚炎に対する効果です。ビオチン
は、炎症を引き起こすヒスタミンを体外に排出し、アトピー性皮膚炎の原因
を減少させる効果があります。活性酸素を消して炎症を抑える抗酸化ビタ
ミンのβ−カロチン、ビタミンC、Eなどと一緒にとることで、さらなる効果があ
ると期待されています。
ビオチンの多い食品
 レバー、大豆などの豆類、卵、ヨーグルト、ナッツ類。
ビオチンの摂り方】
 1日30マイクログラムが所要量とされています。普通の食事で十分供給
され、腸内細菌によっても作られるので、不足することはほとんどありませ
ん。
 ただし、気をつけたいのは毎日、生卵を何個も食べるという人。卵はビオ
チンのよい供給源ですが、卵白中のアビジンという物質がビオチンと結合し
て、腸でのビオチンの吸収を妨げてしまうのです。そこで、卵は生で食べる
より、加熱調理をお勧めします。加熱することで、アビジンがビオチンとは
結びつかなくなるので、ビオチンを効率よくとれます。
参考料理
ゆで卵入りポテトコロッケ
<材料>(6人分)
卵…7個、玉マネギ…1/2個、豚ひき肉…200g、白ワイン…大さじ1、揚げ油、
ジャガイモ…3個、小麦粉、パン粉、塩、コショウ、トマトケチャップ、サラダ油
<作り方>
@・卵6個は塩少量を加えた水に入れて一煮立ちさせ、8〜10分茹でて殻を
  むき、縦半分に切る。
A・玉ネギはみじん切りにする。
B・サラダ油大さじ2を熱してAを炒め、しんなりとしてきたら豚ひき肉を加えて
  炒め合わせ、白ワイン、塩小さじ1/3、コショウ少量で調味する。
C・ジャガイモは水洗いしてポリ袋に入れ、500Wの電子レンジで4分30秒〜5分
  加熱し、皮をむく。熱いうちにつぶし、Bとトマトケチャップ大さじ2・1/2〜3を
  加え混ぜる。
D・@に薄く小麦粉をまぶしつけ、Cで包んで12個形作る。薄く小麦粉をまぶし
  つけ、割りほぐした残りの卵にくぐらせてパン粉適量をまぶしつける。170℃の
  油で色よく揚げる。
E・器にDを盛る。
◆熱量464kcal タンパク質17g 脂質29g 塩分0.9g