健康note-2

○ビタミンB1
甘いものやお酒の好きな人に
ビタミンB1の働き
 ビタミンB1はチアミンといい、体内でブドウ糖からエネルギーを作るときに補酵素とし
て必要な成分です。
 不足すると神経系に異常が起き、末梢まっしょう神経系で足りないと脚気かっけになりま
す。戦前の日本で脚気が多かったのは、白米への依存度が高かったため。米は精白
過程でB1が失われるうえ、白米のブドウ糖をエネルギーに変えるのに十分なB1を、
おかずからとれなかったのです。今では色々な食品でB1をとっているので、脚気の心
配はないでしょう。
 また、白米ではなく、タンパク質と脂質中心の欧米型の食生活でB1が不足すると、
中枢神経系に異常が出るウェルニッケ脳症になります。この病気はアルコール摂取量
が多いと進むので、お酒を飲むときはB1をとるように注意してください。
 このほか、B1不足だと末梢神経をつかさどっている脳にエネルギーがいかず、精神
的に不安定になります。さらに、ブドウ糖が完全にエネルギーに利用されずに、脳や
体内に乳酸などの疲労物質がたまり、倦怠(けんたい)感の原因にもなります。
ビタミンB1の多い食品
 豚肉に多いことは有名で、中でもヒレ肉は100gに約1mg含み、ほぼ一日の所要量
に値します。カツオのなまり節、のり、全粒粉、玄米も多い方ですが、ほかに高含量
の食品が少ないので、いろいろな食品をまんべんなく利用しましょう。
ビタミンB1の摂り方】
 食事の量や運動量でも、必要量は変わってきます。普通の運動量の成人では、
1mg程度ですが、運動選手など激しい運動をしてエネルギーを使う場合は10倍程度
が必要です。 また、外食やインスタント食品が多い人、甘いものやお酒が好きな人
は、糖質のとり過ぎ傾向にあるので、ビタミンB1をしっかりとってください。
参考料理
豚肉の揚げ物・2種
<材料>(4人分)
豚もも肉…300g、ニンニク…1かけ、焼きのり…1/4枚、卵…1個、
白ゴマ…大さじ3、黒ゴマ…大さじ2、小麦粉、しょう油、酒、揚げ油
<作り方>
@・豚もも肉は7ミリ角の棒状に切る。
A・ニンニクはすりおろす。
B・@にAとしょう油大さじ1・1/3、酒大さじ1/2をもみ込み、しばらくおく。
C・焼きのりは1cm幅に切る。
D・卵は卵黄と卵白に分ける。
E・Dの卵黄と小麦粉大さじ2、水大さじ1〜2を混ぜ合わせる。
F・Bの半量にCを巻いて薄く小麦粉をまぶしつけ、Eにくぐらせる。
G・残りのBを溶きほぐした残りのDにくぐらせ、白ゴマと黒ゴマを薄くまぶしつける。
H・170℃の油でFGをそれぞれ色よく揚げる。
◆熱量310kcal タンパク質20g 脂質22g 塩分1.0g